秋川 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ハッピーエンドでもないのに後味の良い終わり方
1話から引き込まれました。日常が地震によって壊される恐ろしいシーンです。地面の割れ方や画面の揺れがリアルでドキドキしました。
余震に怯える人たち、我先に桟橋に行こうと急ぐ人たち、イライラが募り喧嘩をする人たちなど他の被災者にフォーカスした描写も多くて見所ありました。
こう言っちゃ不謹慎ですが、サバイバルな雰囲気にワクワクしていました。
3話にて水上バスに乗ってお台場から離れるシーンがあるのですが、もう一隻の水上バスが橋の倒壊に巻き込まれてひっくり返ってしまいます。未来の乗ってる水上バスでは(あの水上バスに乗っていたら危なかった)というムードになるのですが、そのシーンでもワクワクしていました。
あとマリさんが格好すぎました。3話辺りまでの未来ってマリさんに対して反抗的な態度を取ることもあって、見てるこっちがイライラしてたんですけど、それでも未来と悠貴の安全を第一に考えるのはすごいと思いました。
芝公園から恵比寿まで未来と悠貴を導いた上に砧公園まで未来を先導しようとしてるのは責任感強くて良いキャラだなあと思いました。
9話のマリさんがひなちゃん、おばあさんと再会するシーンは感動しました。
最初は反抗的な態度を取っていた未来もマリさんや孫を亡くしたおじいさんやけんとくんと交流することで家族の大切さを理解してくるのですが、そんな矢先に8話で悠貴が死んでしまうんですよね。かなり重い展開でした。
9話以降の悠貴は未来が作りだした幻でマリさんや他の人達から見えないんです。10話の未来が悠貴を幻だと認識するシーンもかなり重い展開でした。ですが、未来がショックのあまり悠貴の幻を作りだすという展開は、意外性があって普通に好きな展開です。
ただ、9話以降の悠貴は未来の作りだした幻で他の人から見えないので、未来はずっと独り言を発していた訳です。そう考えるとマリさんの反応が不自然です。いくら同情していたとはいえ、未来が独り言を発し続けていたら多少は驚いたり不審がるはずです。マリさんの反応が不自然な点が残念です。
最終回にて未来は悠貴が亡くなった現実に打ち拉がれながら家に帰ります。お母さんやお父さんと再会するも悠貴はいません。その後、家族3人は悠貴を悼みながらも日常に戻っていきます。ハッピーエンドでないのに後味の良い終わり方で不思議な感じです。
(追記)
8話の2段階夢オチでうまく現実と夢を混同させてますよね。
未来やマリさんが手術室のような部屋の前で治療を待つシーンが夢だったんですよね。
手術室の前で未来とマリさんが神妙な面持ちで待つ。手術室から出てきた医師が、悠貴の死を宣告する。その場でマリさんが膝から崩れ落ちる。
ベタですよね。ドラマで何回か見たことあります。
悠貴は病院に運ばれた時点で死んでいた。未来は廊下で悠貴の死亡診断書を見る。白い布をめくり、悠貴の青ざめた顔を見る。こっちが現実でしたね。
一回目の夢オチが現実でした。