てんぷら さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
視聴者に常に寄り添う主人公。後半の展開は圧巻。
初めからかなりのスローペースで進んでいくこの作品。ゆっくりとゆっくりと、徐々に謎と違和感だけが与えられていく。
私たち聞き手側が見える範囲というのはエミリコの視界そのものだ。この作品ではあまり客観的な視点が映されない。それに加えて主人公であるエミリコには心境の変化がほとんど無い。初志貫徹ともいえる。
物語が進むにつれてエミリコの視界は広がっていくが、変わらないエミリコと視聴者の間には差異が生じる。
そしてシャドーハウスの謎が明らかになるとともに、聞き手側と「最初から洗脳されていた」エミリコが乖離し、私たちはケイトの目線に変わっていく。私たちがエミリコに寄り添っている間に、成長していたのはケイトだった。ここで主人公はケイトへと変わったのだ。
エミリコとケイト、この一対の主人公という設定は視聴者が作品に深く浸透できる展開を生んでいる。今までに無い新しい演出で鳥肌が立つ。
最後のシーンも好きだ。今まで生き人形ばかりの描写だったのに、これはシャドーの物語だと言わんばかりの終わり方。盤面は整い、ここから加速度的に面白くなるのが目に見えているところで終わりだ。少し残念。
2期にも期待している。