退会済のユーザー さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「選択」の物語
(原作既読)
相変わらずの面白さ。多分この作品は何度繰り返し見ても、毎回面白いって言える。
話の内容というより、原作のアニメ化という観点でfs Part2を見て特に良かった点は以下の3点。
(1) エピソードの順番
{netabare}
原作では地ならし発生直後、ミカサが「エレンたちとマーレに初上陸した話」
を思い出すのだが、アニメではこの回想が最終話Aパートに移されている。
改変としては一見地味だが、明確な意味があって良い変更だと思った。
Aパートの選択を誤りエレンを止められなかったミカサと
Bパートの地ならしを決断したエレンの対比によって、
進撃の巨人が「選択の物語」であることを改めて実感できる。
特にfs part2は「選択」で世界が変わる瞬間の話であり、
巨人史の起源となったユミル = 2000年前の君から
誰よりも世界を憎んだエレン = 2000年後の君へ、
時を超えて思いが繋がり終焉への選択を下す、
作中で最も大事な話の一つである。
そういうシーズンの最後に、作品の核を成す「選択」という要素を
エレンとミカサというメインキャラ2人の視点で改めて
掘り下げているのは深い構成だなぁと感じた。
{/netabare}
(2) 作画
{netabare}
part2で一番良かった、というかほっとしたのはやはり作画。
今回でようやく、「MAPPAの進撃」を見られた気がする。
キャラデザを原作に寄せているからか「原作の映像化」としては
WIT版よりも忠実に作られている感じがした。
今回はCGで描かれる巨人のクオリティが数段上がり、
引きのシーン以外は可能な限り手書きのヌルヌル作画に仕上がっていた。
WITへのリスペクトが感じられるようなカメラワークや、
アンカーの反発・反動による緩急のついた速度感、
MAPPAお得意の血の描写が冴え渡っていた
港でのイェーガー派との戦いは神作画と言って良いと思う。
ファルコ素体のアギトは原作の絵よりも格段にかっこよく
なっていて動きの迫力も十分だった。叶うならば
part3でもっと上を言って欲しいので評価は4.5にするが、
全アニメの中ならば間違いなくトップクラスだろう。
そしてもはや説明が入らなくなってきた澤野氏の極上の音楽。
正直これがあるのとないのでは作品への没入度がダンチ。
{/netabare}
(3) ed
{netabare}
映像といい「悪魔の子」の歌詞といい、全てが
結末までの進撃の物語を表していて、finalにふさわしいedだった。
映像にエレン1人しかいないのは、世界がたどり着く未来を
知っているのが進撃と始祖を宿すエレンだけだから。
美しい花畑は、ヒストリアの手に口付けした
時に見た未来の光景に対するエレンの解釈の表れ。
Bメロで飛んだ鳥と最後の描写は……おっと、誰かきたようだ。
めちゃくちゃ良かったのでこれ以上のed作るのは大変そうだが、
part3のedは一体どんな風に仕上げるのか期待。
{/netabare}
2020年5月にpart1のpvが公開されてからもう2年以上、銀魂顔負けの
終わる終わる詐欺をかましている本作も、とうとう来年完結とのこと。
これで終わらなかったらさすがに新八もブチギレそうだが、
とりあえずMAPPAには完結させることよりも然るべき
休息を優先してからpart3を制作してしていただきたい。