退会済のユーザー さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ゆるキャンをもっと好きになれる映画
キャンプ場を作るという今まで以上のガチ要素が多い一方、5人のほっこりした時間やキャンプへの姿勢、視聴者の空腹を全力で煽る極上のキャンプ飯など、今までと変わらないゆるキャンの良さもぎゅっと詰まっていた。キャンプ場の準備では「今この場所にあるものを使ってより良い場所にしよう」というコンセプトがあったが、ある意味この映画自体もそうなっているのが面白い。
アニメの「自分たちのキャンプ」とは異なり、映画では「大人が力を合わせてみんなで作るキャンプ」がメイン。焦点が当たるのも「大人になってから分かること」「一人ではできないこと」であり、設営に至るまでのいろんな人との繋がりが丁寧に描かれている。千明のご近所仲間の岡崎さんやリンの先輩の刈谷さん、土器発掘員の方から県庁の職員まで、やりたいことをやるために支えてくれる人の存在をしっかり描いてる分、キャンプ場を作る大変さ、完成した達成感、利用する人たちを見た時の喜びが見てる側にも伝わってくる。特に刈谷さんは当然のようにリンの仕事をフォローしてくれるしそれを表に出さず優しく見守ってくれるし、本作の個人的MVPを授与したいくらいイケメンだった。
5人が想像以上にちゃんとした大人になっていて、順調だったキャンプ場企画がいきなり中止になっても、そういうトラブルと誠実に折り合いをつけ、諦めずに自分たちでできることを探そうとする。なので見てて純粋に気持ちがいいし、キャラクターのことを今までよりもっと好きになれる。
あと驚いたのは、企画の発端と運営の中心になるのがリンと千明だったこと。
最初のCMを見た時点でなんとなく、言い出しっぺの撫子が4人を巻き込む話だと思ってたのでこれは意外だった。映画全体でもなるべく5人それぞれの視点が見られるようになっており、"主人公+4人"じゃなくて"5人集まって一つのパーティ"って感じがして……なんかとても良かった。(語彙堤防決壊)
千明にお年玉をねだるチビ犬子、林檎の皮を剥くリンちゃんパパ、相変わらずまったり口調の綾ちゃんなど、サブキャラをなるべく多く登場させてくれたのも地味に嬉しい。
CV 櫻井孝宏 をここまで贅沢に使う作品もそうそうない。
話は面白いし腹は減るしちくわは可愛いしで、これといって悪い部分が見つからないくらいには満足感が高いので、テレビ版を楽しめた方なら確実に楽しめる。