てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
AI、バーチャルリアリティーによる精霊流し?モンストの関連作品で、良き情緒あるSFアニメ
アニメ版モンスターストライクを手掛けるXFLAG製作のオリジナルアニメ62分。
「いたずら魔女と眠らない街」同様、ゲームにコラボキャラ?として登場した模様。
大切な人を亡くした少年少女が、仮想現実?と人工知能?駆使した祭りで死者と再会する。
【良い点】
仮想現実やAIなどの近未来SFと、七夕や精霊流しのような日本の伝統風景を調和させた世界観。
作風は全然違うが電脳コイルを僅かに彷彿。
SFとしては、生前の人格データを収集して疑似的に死者との対話を実現する発想が結構鋭い。
死者と束の間対話させる感動系はファンタジーの領分(しにがみのバラッドとか)、それを近未来SFでやるのは斬新。
作風は違うがSAOのマザーズロザリオ編、オーディナルスケールのアスナとユウキの交流を思わせる。
ストーリーは素直な感動系で見やすい。
少年は余命幾ばくも無い事を隠して去った親友の想いを知り、
少女は自分を庇って死んだ姉の愛を知る…
生前に伝えられなかった想いを伝える、予定調和ではあるが感動的だった。
中盤バトルも仮想現実が怨霊を発生させる展開が、SF的に成程と思った。
バトルシーンも中々。
AI少女カンナちゃん可愛い。
作画は綺麗でキャラデザも幻想的な日本の風景やドローン使った精霊流しなど見所多し。
主題歌も中々泣かせる。
【悪い点】
折角のユニークなSF設定を十分生かしきれず。
死者の人格データ再構成しての疑似的死者蘇生?は冷静に考えると偽りの気休めでは?
と無粋な疑問もある。そこは何らかのスピリチュアルな奇跡か解釈が欲しかった。(アバン先生をキルバーンの炎から守ったのはハドラーの耐熱遺灰という合理的解釈だけではない奇跡なんだぞ的な)他にもAIのカンナちゃんが儀式を通して人間の心学ぶ萌芽見せていたが、結局この点も半端に終わった。
カンナちゃんがAIとして人間の心を学ぶ萌芽が見られてたのに、結局うやむや。
AIの成長や人間の生死といった鋭いテーマがありながら、勿体無い。
キャラドラマもやや薄い。
終盤は感動的だが、そこに持っていくまでの掘り下げが不十分かつ淡泊。
シオリちゃんはともかく、ショウマ君はいまいち感情が伝わらなかった。
カンナちゃんも可愛いんだけど、ナビキャラの域を出ず。ショウマたちと深い交流が乏しく、消滅お別れのカタルシスが淡泊。
このためか、プロットが感動的な割には今一つだった。
ラスト復活?するが説明不足で終了。
(物語4点か3.5か迷うライン)
【総合評価】6点
高度に発達したSFで死者再開の感動系やってみせた良作映画。
なんだけど、色々と物足りない面も多かった。
1時間では尺不足だったか。
評価はとても良いには足りない「良い」