pikotan さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
良かったのは映像だけ
仮装世界ユーの美しさやスケール感など映像面は素晴らしいと感じましたが、物語に関してはキャラクター達の行動に疑問を感じる箇所が幾つかありました。
例えば、すずのお母さんが子供を助けるため川に入っていく場面。
周りに沢山の人がいるのに誰もお母さんを止めない或いは子供の救助に協力しないというのは不自然で、お母さんを故人にするためのイベントに感じてしまいました。
また、後半では虐待を受けていた恵(竜)をすずが助けに向かいますが、虐待が発生している現場に子供(すず)一人が行くというのも不自然です。
周りにいたおばさん達は、助けに行ったすずも虐待される可能性を想像しなかったのでしょうか。
すずを車で駅まで送り届けるだけではなく、絶対に大人が同行すべき場面です。
すずを煽る忍も気に入りません。大人が行かないなら、せめてお前は一緒に行けと言いたいです。
更には、恵達の居場所を特定(特定と言っても大雑把だけど)できたことや、すずが高知から東京に行くまで相当な時間がかかっているにも関わらず、すずと恵がタイミングよく路上で出会えたのも有り得ないです。ファンタジーならそれでも構いませんが、この作品はリアル志向ですよね。
なぜ舞台を高知と東京にしたのか。すずが都内在住であれば、まだリアリティを感じられるのですが…。
時をかける少女とサマーウォーズは好きですが、その後の作品は好きになれません。
巨匠と呼ばれるようになると、どうして皆さん社会問題を取り入れた作品を作りたがるのでしょうか。
社会問題を扱いたいなら実写のドキュメンタリー映画でも作れば良いのでは。
個人的にはアニメ映画は夢と希望に溢れた娯楽作品にして欲しいです。
また、この手の劇場アニメの共通事項として主要キャラの声がプロ声優ではないことも、毎回のことながら不満です。
例えば演劇を観に行って俳優のセリフが棒読みだったら観客は満足できますか?できませんよね。
それと同じで、無料で観られるTVアニメなら許容できても、お金を取る劇場作品で棒読みなのは気になります。
稀にキャラクターと声がマッチして棒読みでも自然に思えることがありますが、大抵は声が浮きまくって違和感しかありません。
話題作りや観客動員のために有名タレント等を使うなら、モブキャラの声に限定して欲しいです。