阿仁事頓馬 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
小説をアニメにした中でも、秀逸の出来
先に小説は読んでいた。
そして松田龍平と宮崎あおいで映画が製作され、国内の映画賞総なめに受賞するなど好評を得てからのアニメ化だった。
ライトノベル本なのではなく、本格的な小説のアニメ化はなかなか難しいが、作者の三浦しをんさんは、エッセイなどでも書いているが、漫画やアニメにも一家言ある方。
また小説の内容も、アニメに限らず映像化しやすい内容が多いので、他の作家の小説からの映像化に比べても、比較的なじみが良い作家さんではある。
アニメの方は演技などに定評がある中堅・ベテラン声優を配役してくれたおかげで安心して見ていられる。
櫻井孝宏、神谷浩史、坂本真綾などなど、声を聞いただけでアニメ好きは安心して見ていられる。
内容は辞書を何十年もかけて作り完成させていく過程を、主人公や仲間の青年期から中年になるまでの時間の流れを見せながら進んでいく。
当然、話の最初に老年だった方は、ストーリーの後半には年を重ねていくという現実もしっかりと組み込まれていて、時間の積み重ねと人の命には限りがあるという現実もしっかりと描かれていく。
でもそれは、辞書という一つの書物が、多くの人とのつながりと思いを形にするバトンのようなものとして表現され、そのバトンはまた新な人に託される。
ある程度年齢を重ねた人が見ると、涙腺がゆるゆるになるかな。
このレビューを書く前に久しぶりに視聴したら、前よりも泣けてきて、最終回はほんとに泣けました。
幅広い年齢層に見てもらいたいけど、内容に刺さるには、人生経験がある程度必要になるのかな。
社会人あるあるも多いので。
昨今のアニメはラノベの異世界ものが多く、内容に食傷気味。
”舟を編む”のような一般小説がアニメ化できることを証明している作品なので、それにチャレンジしてくれく制作会社が増えることに期待します