てとてと さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
人型バイクロボットを駆る女子大生の自己表現とテロ活動?オンリーワンな魅力はあるが、コンセプトがいまいち分からない
境界戦機ぽく抑圧統治されてる日本で、怪我でバレリーナの道絶たれたヒロインが、人型バイクロボに自己表現を見出していく。
学生運動のノリで占領軍相手にレジスタンスするロボットアニメでもあり。
【良い点】
人型二輪車ロボット「ライドバック」のカッコ良さ、疾走感。
バイクと人型ロボ融合させたロマン感じる、これを女子大生が颯爽と駆り軍隊相手に立ち回る絵面が魅力。
メカデザインやアクションシーンで魅せてくれる良作画。
バイクロボットでバレエのように舞うシーンは圧巻。
バレリーナの夢絶たれたヒロインの琳(りん)がライドバックに自己表現見出していく。
バレリーナの才能をバイクロボット操縦に昇華していく構図は良かった。
学生運動というかレジスタンス抗争に身を投じていく渦中で才能が磨かれたり、葛藤から自己実現に至る感じ。
琳自身は政治的意図が乏しく、純粋にライドバックで走りたいから走る!的なアナーキーさが好感持てる。
政治臭が良くも悪くも乏しい作風。
細かい設定やストーリーはイマイチ分からないが、琳がライドバックで舞う事で、なんやかんやでハッピーエンド(図書館戦争ぽい)。
序盤の学生サークル編が比較的面白い。
ライドバックというユニークな題材で大学サークル青春劇をやっている。
ライバル登場したり、不慣れな琳が戸惑いながらも才能覚醒させていく、王道。
【悪い点】
女子大生の自己表現や自己実現の物語と、占領軍と学生レジスタンス抗争がチグハグ。
境界戦機みたいに積極的に戦うでもなく、図書館戦争みたいな思想も見えない。
ストーリーがレジスタンス側と占領軍側キャラ同士の古い因縁とか、ヒロインそっちのけ。
女子大生の自己表現や自己実現の物語としては一応綺麗に終わってはいるが、途中経過の戦争展開が面白くない。
さらに言えば、1クールで収まる話とは思えない。
設定や世界観がよく分からない。図書館戦争より輪をかけて違和感。
ライドバックはロマンはあるが、軍事兵器としては明らかに強くなさそう。
ライドバックのアドバンテージでレジスタンスが占領軍に善戦出来てる設定だけど、ガサラキやコードギアスに比べて全く説得力が無い。
バイクを人型ロボにしても生身撃たれたら容易に死傷しそう、ブルージェンダーのアーマーシュライクがマシに見える。
実際、琳の親友が抗争中に占領軍に殺されてしまうが、そりゃそうなるよな、と。
その点はフィクションの嘘として許容するにせよ、細かいところで違和感だらけ。
キャラクター特にヒロインが地味。
琳はストイックに自己実現目指すが、ヒロインとしては面白味が乏しい。
一応自らの意思でレジスタンスに身を投じてはいるが、なりゆきに流されている感じ。
そのためかドラマにカタルシスが全然無い。
琳のキャラ付け如何ではもう少し面白くなったと思う。(キャラ評価2.5)
その他も役割は分かりやすいが地味。
戦争当事者たちの過去ドラマとか殆ど興味を持てず。
比較的ましな序盤も展開が遅くて地味。琳の地味なキャラクターも要因。
【総合評価】2~3点
捨て難い魅力もあるんだけど、違和感だらけかつ話がつまらない惜しい作品。
レジスタンス抗争とかせず、ライドバックに魅せられていくヒロインのドラマに徹してほしかった。
隠れた傑作なのかもしれないが、自分にはイマイチ良さが分からず。
評価は迷うところ、キャラとストーリー重視なので、やや「悪い」