てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
シドニアぽく敵と戦うパイロット候補生たちのSF群像劇?良質なCGアニメだが未完打ち切りが残念
人類が最後に残された惑星(地球じゃない)を敵宇宙生物(ヒディアーズぽい)から防衛する女神(イングリッド)という人型兵器、女神操縦できる少年と、ペアとなる少女たちの、女神候補生としての訓練風景を描く。
シドニアの騎士というか、戦闘寄りの宇宙のステルヴィアな感じ?意味深な謎も多くエヴァの影響も?
D・N・ANGELと同じ作者、NHK衛星アニメ劇場でOVA合わせて全13話で打ち切り。
【良い点】
パイロット養成所の宇宙SF感。謎の敵から母星防衛する特別なロボットや、候補生たちがEX(超能力?)持ちなど随所に謎を散りばめていて興味を引く。
進行が遅く地味だけど、裏で一軍組が戦いつつドラマがあったり、少しずつ謎や世界観開示されるなど飽きさせない。
ヴィクテムという敵の正体とか、主人公が女神に乗った際の謎の記憶や少女とか、随所に神秘あり。
ナレーションによる解説が丁寧で、設定や世界観が少しずつ分かる配慮あり。
9話主人公初陣から盛り上がってくる。
主人公が候補生で、一軍組が実戦する中で訓練する、一風変わったロボットアニメ。
自我が不安定で自分自身を制御できなかったり他者との距離感掴めない少年少女の群像劇な感じ、尖った交流をゆっくり丁寧に描いている。
パイロット少年とリペアラーと呼ばれる少女がコンビ組む形式、各々の組の交流ドラマも良かった。
主人公ゼロとヒロインのキズナの交流掘り下げとベストパートナーになっていく感じが良い。
ゼロとライバルのヒイードのEXの暴走で、思春期の危うい衝動描いたか?
その他は一軍先輩組の方がドラマが盛り上がる。戦い傷つくパートナーに心傷めたり、少年同士の友情も。
恋愛要素もあるが、それ以上に少年組の友情を感じる。
ゼロが裏表の無い猪突猛進型でバイタリティーあるためか、シリアスな割に雰囲気がすっきりしている。
何故かケモミミなキズナちゃん可愛い。勝気で賢く、猪突猛進なゼロを巧みにリードしたり、教官に一歩も引かなかったり。
全体的に地味なキャラが多いがキャラ描写は丁寧、各々の葛藤を描きつつ、それが本筋の盛り上がりに少しずつ影響していく感じ。
女の子のキャラデザはかなり可愛い。
女神の不気味だけど神秘的な造形や、黎明期の3DCG駆使した戦闘シーンも見応えはともかく綺麗。
またOP曲など楽曲がかなり綺麗で印象的。
【悪い点】
進行が遅く地味。主人公延々訓練で、初実戦が9話。
敵が意思見えない群体タイプで襲撃されて迎撃ばかりなのも単調。
主人公ヒロインの交流もゼロとキズナが絡むのが4話と遅い。
群像劇やキャラドラマも丁寧ではあるがキャラが多過ぎて一人一人が浅い。
候補生組は眼鏡解説友人ポジなクレイが大した見せ場が無かったり、ゼロとヒイードの確執も序盤以降特に進展が無かったり、中途半端。
ヒイードのパートナーでビクビクしながら彼を想う眼鏡っ娘も10話闇落ちしてやらかす(宇宙のステルヴィアの町田初佳の先輩?)が、唐突だし顛末も中途半端。
裏表の無いゼロと、心読める故に心閉ざしているアーツの交流以外は物足りず。
ゼロが唯我独尊タイプなのも、意外と他キャラとの交流の掘り下げが進まなかった要因か。
ゼロはあんまり葛藤が無いため、交流の成果で成長する主人公には不向きな感も。
これらは打ち切りで尺不足なのに、2クール以上想定の作劇でゆっくりし過ぎた為か。
戦闘が地味。ロボットの動きがもっさり、群体タイプの敵集団に突っ込んだり翻弄したりされたり似たような構図多い。
CG作画も当時としてはともかく、現在見ると違和感ある。
1クールで唐突に打ち切り。話が纏まっていない。
ようやく主人公実戦したり謎も深まってきた矢先、勿体ない。
難癖だけど、ジェンダーの役割固定や男尊女卑が若干時代錯誤?
とはいえそれが特有の世界観生んでいる。
【総合評価】4~5点
凄い好みな作風なだけに半端な打ち切りが惜しまれる。
完成度は著しく低いけれど、独特な魅力あり大好き。
評価は悪い系もやむなしだけど、勿体なし「普通」