「映画 ゆるキャン△(アニメ映画)」

総合得点
76.7
感想・評価
229
棚に入れた
867
ランキング
686
★★★★☆ 4.0 (229)
物語
3.8
作画
4.1
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

しんちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「ベストオブ環境アニメ」が映画になったら「ベストオブ人生アニメ」になった

公開初日に観に行ったこの映画を、昨日もう一度観に行ってきました。初回はそんなことなかったのに、昨日は最初から最後まで、ずっと涙が流れてました。心洗われる2時間でした。

テレビ版の「ゆるキャン△」を、「環境アニメ」と評したときに思っていたのは、このアニメの中心は富士山をはじめとする美しい山や湖といった、山梨~長野の自然だということでした。
その雄大で繊細な自然が、しまりんとなでしこという2人の、そして野クルのメンバーたちを出会わせ、優しく温かい人間関係を育んでいく様子を描く物語なのだと。

だから、映画がこの5人が社会人になってからのエピソードだと聞いたときも、不思議に違和感がありませんでした。ロックバンドやサッカーみたいな、若い時分の情熱をぶつける系の活動ならいざ知らず、アウトドアというのは子どもから大人まで誰でも、社会人には社会人の、中高年には中高年の楽しみ方というものがあります。だから、仮に5人がおばあちゃんになって年に1回集まってキャンプしていたとしても何ら不思議ではないし、そこにまた新しい人生の物語が生まれているだろうと思ったからです。

果たして、この映画はまさにそのような「大人になった5人とその回りの人々が、雄大で繊細な自然を通じて生まれた人間関係を優しく温かく育んでいく」物語になっていました。

思わず吹きだしてしまうようなおバカをやっても、事故につながりかねないやんちゃをしても許されていた学生時代と違って、社会人になったら立場も守るものも出てきて無茶はできなくなる。「何でもできるわけじゃないけれど、でも何もできないってわけでもない」ということを、千明の唐突な呼びかけに応じた彼女たちは思い出します。

千明の「住み慣れたこの土地も、戻ってきてみると少しずつ寂れていっているのが分かるんだよな。(中略)でも、人が集まって盛り上がるところは、やっぱりなきゃいけないんだよ」っていうようなセリフから始まるプロジェクトが、今の日本のリアリティを凄くよく捉えていて、でも「社会人への応援歌」にも聞こえて元気が出ます。

あと、テレビ版と違うのは、ふだんは離れた場所にいる5人がそれぞれの日常でさまざまな思いを抱えながら生活している様子が、ていねいに描かれるところ。なでしこは、富士山が見えたり見えなかったりする自宅のベランダでの表情が少しずつ違う。雨模様を眺めながらちくわを抱いてたたずむ恵那、準備室で必死に企画を練り直す千明、昇降口の子どもたちに手を振って見送るあおい、会社帰りの道を歩くりん。セリフは何もないけれど、メンバー1人1人の気持ちが溢れんばかりに伝わってくるそれらのシーンに、しっかりと尺をとって見せようとする映画ならではの演出に、ただただ感動するばかりでした。

あと、個人的にはついに本沢温泉まで「聖地」になったのが、衝撃でした。なでしことりんが出かけたのは、たぶんGW前後だったんじゃないかと思うのですが(八ヶ岳はGW過ぎまでは結構雪が残ってるので。ただ、「冬」ではないので、景色ほどに寒くはないと思います)チェーンスパイクつけないとたどりつけないようなところが聖地になるとは、ファンも大変だなーと(笑)。あの雪景色を真に受けて、真冬に聖地巡礼に挑戦する方が出ないことを祈るばかりです。

投稿 : 2022/08/20
閲覧 : 141
サンキュー:

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