えたんだーる さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ある意味でavexの本気は見えるかも?
一応、バイトをしながら小さなクラブでくすぶっている売れないシンガー月見英子がメジャーデビューを目指すサクセスストーリー的な大筋は存在しています。そこになぜか現代に転生した諸葛孔明が絡むという謎のストーリーですね。
原作コミックスはかみさんが持っているので既読です。で、このアニメですが原作とストーリーは基本的に変更はされていないものの、なんとなく作品としての方向性は違ったもののように感じられます。
それはおそらくメインスポンサーにavex(エイベックス)が付き、アニメでは実際に楽曲を聞かせられる(裏を返せば楽曲として聞かせる必要がある)という点を前面に押し出しているせいだと考えます。
原作には特にスポンサー的なしがらみはなく、普通に英子がサマーソニア出場を目指す、あるいはそこでのパフォーマンス向上に向けた成長ストーリーを軸に、三國志ネタを交えてギャグ作品的な要素も取り入れた感じでコミカルに仕上がっています。
アニメではavexの売りたい楽曲を中心に据え、「クラブミュージック」という本作の設定上の軸に乗せたシナジーを狙っていたように思います。なのでYouTubeでも本作関連のMVやダンス動画をavex公式が積極的に提供して認知度向上やセールスにつなげていこうという姿勢が見えました。
なお、本作はタイトルこそ『パリピ孔明』ですが、ストーリー上の主人公はシンガー月見英子ですね。軍師としての孔明の策や三國志の時代を中心とする古代中国の故事などはギミックとして効いてはいますが、何事かを成すのは英子あるいはその他のアーティストで、孔明の策はスパイス的な働きをしています。
タイトルの孔明に引っかかり、その策がいかがなものかという観点で追うと期待した物と違うものを見せられたという感想になるかもしれませんね。
まあアニメも原作のコミカルな要素をある程度引き継いではいるので、ギャグ作品的に見て楽しむ方が向いているように思います。