退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
事前情報なしならほぼ確実に騙される
「人類の敵」と呼ばれる怪物に唯一抗える存在-「能力」を宿した
学生たちは、怪物の棲む孤島で隔離・訓練を受けることになっている。
人の心が読める能力をもつ転校生の柊ナナは、ただ一人
能力をもたない中島ナナオを気にかけてるようだが……
世界観の開示、それに伴う展開の変え方が非常に上手い。
着地点が予想できないワクワク感と毎話の引きの上手さから
一気見してしまうタイプの作品。
{netabare}
本作は設定に関して、進撃の巨人とよく似ている。
外界と隔絶された空間、内部の人間のみが宿す能力、外部からの刺客。
人類の敵と戦う(と思ってる)者たちこそが世界にとっての脅威である現実。
刺客自身が任務への迷い・自身の存在意義に葛藤する展開。
ここまで構成要素が被っていながら、あちらとは違う
本作特有の面白さがしっかりあるため最後まで飽きずに見られる。
ナナの能力差を埋めるアイデア、読心能力を盾にした立ち回り、
ハイリスクの賭け全てを強気に通すことで能力者狩りと
逃げのサスペンスが絶妙に成立している。
一見無茶苦茶なようで実はちゃんとギリギリの綱渡りが
成功している、この独特のテンポや緊張感は自分が
今まで見てきた作品にあまりなかった良さである。
橘ジン登場以降は、能力者vsナナの二分構造以外の情報が分かり、
徐々に世界の全体像が見えていく進撃っぽい面白さもある。
終盤でミチルがナナの理解者になる展開は作中で数少ない
心温まる要素であり、物語の軸がナナの内面にシフトするため
ただのサスペンスや設定の面白さで終わらない所がいい。
「無能なナナ」というタイトルは、無能力である他、
両親・ミチルのような大切な存在を守れない弱さをも
含意しているように感じる。
ラストのカタルシスもあり1期だけで満足度が高い反面、
続編ありきの終わり方なので2期が来ないと非常に勿体無い。
実際、原作で続きを読んだが、アニメ最終話以降が本番と言っていい
面白さなので、原作ストックが溜まり次第早急に映像化していただきたい。
{/netabare}