STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
諸葛亮 孔明が現代の日本に転生して、歌手としての成功を夢みる少女の軍師になるという
基本設定がかなりぶっ飛んでいると言うか。。。
孔明が軍師ということで別の世界での戦争に参加する辺りなら考えつきそうな感があるが、
次の戦場が音楽業界というのはそう思いつくものではないんじゃないかと。
この孔明の知略で数々の難問をクリアしていく過程が見どころといった内容。
孔明の計略はともかく、ストーリー事象の様々な事象も三国志に例えられることが多く、
この辺は結構無理矢理感があるのだが、その強引さが「そう来たか」という感じで味に
なっていたような。
本作のような過去の時代から、あるいは中世近世ヨーロッパ風異世界や時間軸は同じでも
未開の地からなど、要するに近代化されていない世界のキャラが現代社会にやってきた物語に
おいて、割と短期間で現代の文明を理解してしまう部分においては「無理があるな」と
思ってしまうことが多い。まあ、それはそれで飲み込んで作品を楽しめるのだが。
ただ本作においては「まあ孔明だから」ということで納得してしまう自分がいたw。
他にも同じく「孔明だから」で押し通せる部分は多く、ある意味便利なキャラかも。
その孔明の助けを受ける月見 英子だが、孔明におんぶに抱っこではなく、自ら
頑張れるところは頑張れる前向きさが魅力的。
実際、孔明の計略の中には英子を成長させるためのものもあり、作品自体は英子の成長譚と
言えるような要素も多分に含まれている感じ。
英子のキャストに関しては基本は本渡 楓氏で、歌唱は96猫氏の分業制で、
ライバルキャラ?の久遠 七海も同じく分業制で、芝居が山村 響氏で、歌唱Lezel氏。
こういった分業キャスティングは他作品でも音楽を扱ったものに多く見られるもので、
それぞれの部分を長けた者が担当することでクオリティが上がる反面、やはり喋りと歌の声質の
差異は感じられてしまい、一長一短といった印象。
中盤はラッパーのKABE太人が大きくクローズアップされるが、この辺の展開は
アニメオリジナルだと後に知る。
個人的にはアニオリに関して一概に批判的ではないのだが、本作に関しては「ちょっと尺を
取りすぎたかなあ」という印象。
一度ラップから身を引いたKABE太人が孔明とのラップバトルを経て、再びラップを
始めたのに、赤兎馬カンフーとのMCバトルの再戦でまた悩む件はちょっとくどかったかな。
この中盤においてKABE太人はもはや第二の主人公といった感じ。
そこまで焦点を当てたからには英子とユニットを組む展開になるのかと思いきや、英子は
ソロのままで、KABE太人は終盤でのAZALEAとの直接対決で、AZALEAをラップで煽るだけと
いうのはいささか拍子抜け。
結局、KABE太人に焦点を当てすぎた分、全体の印象が散漫になってしまった感じ。
中盤の代々木アートフェスのJET JACKET、終盤の10万イイネ企画でのAZALEAを
売り出そうとする唐澤など、英子陣営と競うべき存在はいるが、終わってみるといわゆる悪役は
いなかったのが、この作風には良かったかなと。
仮に悪役的存在が競争相手にいたら、孔明も何をしでかすか分からない怖さがあるけど。
2022/08/11