ヘラチオ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
どことなく美女と野獣のようだと思ったが、やはりそうらしい
自然豊かな高知の田舎に住む17歳の女子高校生・内藤鈴(すず)は、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。母の死をきっかけに歌うことができなくなっていた。曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加することに。<U>では、<As(アズ)>と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けた<As>としては自然と歌うことができた。ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。数億の<As>が集うベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に--。というあらすじ。
そばかすって良いよね。僕は好きです。そこは注目ポイントではないかもしれない。控え目な少女が歌が実は上手でそこから虐待を発見するに至るみたいな風が吹けば桶屋が儲かる的なお話。ついでに美女と野獣のようなロマンチック?ともいえる内容もある。しれっと家族愛と対照的なDVも。
盛りだくさんすぎたのかもしれない。すずの父が快く東京へ送り出す優しさは凄いとは思った。急に女の子が一人で行くなんて心配でたまらんでしょ。
合唱隊のメンバーが森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世としれっと豪華なことにびびる。
中村佳穂がすずとベルの声とともに、劇中歌の歌唱を担当したらしい。
歌唱力は中々。
完全ネタバレ備忘録
{netabare}
川で取り残された見知らぬ子供を助けるため、母が変わりに死んで以来、大好きだった歌を歌えなくなり、父との関係にも溝が生まれていた。作曲だけがすずの生き甲斐となっていた。
ネットに詳しい毒舌親友ヒロちゃんの手引きで〈U〉に参加。ベルという〈As〉となったすずは、自然と歌うことができ、自作の曲を歌って多くのユーザーたちに披露。当初アンチによって批判されたが、次第に歌姫として世界中から注目を集める。遂にはコンサートが開かれるが、当日、突然謎の竜が現れて〈U〉の自警団を相手に大暴れし、台無しに。
コンサート中止に怒る人々によって「竜の正体探し」、疑われた人々(タトゥーアーティストだっけ?や野球選手、ひたすら嘘ついている人)がプライバシーを暴かれる一方で、子供たちの一部は竜をヒーロー視する。また自警団リーダーのジャスティンは、竜の現実世界での姿(オリジン)を強制的に暴く「アンベイル」を実行しようと情報を求める。
ベルは竜のことが気になり、〈U〉のはずれにある「竜の城」を探し出す。竜は追い出そうとするが、彼が小さな天使の〈As〉を慈しむ姿を垣間見て、本当の姿に気づく。ベルはジャスティンに竜の居場所を尋問され、彼が正義ではなく支配欲で動いていると指摘しアンベイルを盾に脅されるが、竜に救われる。ベルは竜のためだけに作った歌を捧げ、竜もベルに少しずつ心を開いていく。
一方で現実世界のすずは、バスケ部所属で女子から絶大な人気の幼馴染しのぶくんとの関係を同級生たちに誤解され炎上してしまう。ヒロちゃんの尽力で攻撃は収まったものの、しのぶくんと人気の女子ルカちゃんが両思いであると思い落ち込む。ところがルカちゃんの本当の思い人は別におり(カミシンというカヌー部所属で暑苦しく、空気が読めず、腫物扱いされがちな男子)、彼女らの仲を取り持とうとしているとき、すずはしのぶくんから、自分がベルの正体であることを指摘される。
その場から逃げ出したすずは、「竜の城」が暴かれて火を放たれたと知り、ヒロちゃんが〈U〉での活動に使う教室に駆け込む。無数の〈As〉から竜を探すうち、竜を慕う男の子・知が、ベルが竜のために作った歌を歌う動画配信にたどり着く。
すずと彼女を追って教室に来た友人たちや合唱隊の人々は、配信の中で父親に怒鳴られる知と、彼をかばって激しく罵られるその兄・恵の一部始終を見てしまう。恵こそが竜の正体であり、兄弟が虐待されていると知ったすずは恵に語り掛けるが、それまでに虐待を訴えても助けてもらえなかった恵は拒絶し、配信も途切れる。
しのぶくんに、恵の信頼を得るためには自分の正体を〈U〉で明かすしかないと指摘されたすずは、自らアンベイルされ、途中泣き崩れながらも生身の姿で歌い、全世界からの喝采を浴びる。
皆の協力で映像から兄弟のいる街を割り出し児童相談所に通告するが、対応が間に合わないことを恐れたすずは、単身でその街へと向かう。すずは兄弟を見つけ、追ってきた彼らの父親に暴力を受けるが臆さず、圧倒された父親は怖気づいて逃げ出す。すずに助けられ心を開いた恵は、父親と戦う決意を語る。帰宅したすずは、彼女を信頼して送り出してくれた父に迎えられ、親子の関係は改善する。
{/netabare}