てとてと さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
見たいのは「お笑い」ではなく「お笑い題材にしたアニメ」。至らない点多いが嫌いではない
※作品データベース様より転載
【良い点】
未熟な駆け出しの若者たちが夢に向かって頑張る姿を描いた成長劇として、王道で真摯な内容。
そのコンセプト上、彼女たちの漫才が拙くて挫折してしまうのは折込済み、それでも前向きにがんばるのは応援したくなる。
少し泣きたくなる展開はあれど、概ね雰囲気が明るく、特に不快な要素も無い。
特に5話は中々の良回だったり、終盤のまだ未熟だけどこれからもがんばる的な締めも好感持てる。
主要8人がそこそこ可愛く、関係性も良好。
コンビ漫才を活かした関係の深さ、同じ夢を持つ同世代同士の交流も良かった。
6話の挫折からのユウジョウ!は女の子ならではの萌え。
らきすた作者によるキャラデザもゆる可愛い。
先輩芸人コンビ(実在の芸人で御本人たちが担当)のキャラも良かった、声優としては拙い喋り方もこういう味と見てむしろ良い。
好演揃いの本職声優のアニメ声と、異質な感じが混ざって、特有の雰囲気出せていた。
プロ芸人「ふりいくっ!」の漫才は流石に一味違う感は出ていた。
駆け出し芸人の日常系として、先輩芸人の興業に付いていく業界物2割、旅行記・日常系8割くらいの塩梅も悪くない。
ゆるい日常系と真剣な成長劇の配分も丁度良かった。
【悪い点】
作品コンセプト上是非もなしとはいえ、漫才シーンがつまらなずきる。
同時期放送中の他作品の漫才(ミュークルードリーミーのまいらちゃん)にすら負けている。
本作のコンセプトを「少女たちが漫才で笑わせてくれるコメディーアニメ」と認識している視聴者に対しては論外なのはもちろん、
成長劇だと理解した上でさえ、1話フルで退屈な漫才が滑っているシーンを見せられるのは辛い。
少女たちの漫才はともかく、プロ芸人の漫才も一味違うとはいえ、面白いには至らず。
漫才自体の面白味をアニメに落とし込めておらず。この点は落語の魅力再現してのけた「昭和元禄落語心中」にかなり見劣りする。
アニメ視聴者は「お笑い題材にしたアニメ」が見たいのであって、お笑いそのものが見たいわけじゃない。(自分とか、お笑いに興味薄い)
お笑い会場の客はお笑い積極的に楽しみたいから笑ってくれる、アニメ視聴者はアウェーであり、厳しいのはしゃーない。
よって、視聴者がお笑いに関心が無い事を前提に、お笑いの魅力を伝える工夫がほしかった。
他作品の業界物の良作たちはこれが出来ている、まえせつは出来ていない。
日常系アニメとしてみてもあまりテンポが良くない。
キャラクターの華、個性や魅力も、悪くはないが、キャラ萌えできる程の印象はない。
日常系として同時期の、売れない業界系で女の子が頑張る「おちこぼれフルーツタルト」にかなり見劣りする。
2012年の女子落語アニメ「じょしらく」が日常系としても抜群の面白さあり、これと比べても厳しい。
女の子の日常系は専門ノウハウ要する難しいジャンル、門外漢が原作無しで制作しても上手くはいくまい。
成長劇として見ても、視聴者目線で成果を実感しづらく、最後まで盛り上がりに欠けた。
最終話に前振り無しでトラブルシリアスやる流れも微妙。
最終話の総決算であろう漫才シーンを全部見せない演出に疑問符。
ここで(おお?やるじゃん!)と視聴者を唸らせる漫才見せてほしかった。
【総合評価】3~2点
漫才という題材は良かったし、真摯な成長劇と日常系としても悪くはなかった。
ライバルは予選会場ではなく、おちこぼれフルーツタルトなどの同期のアニメたち、アニメ作品としてまえせつは太刀打ちできなかった。
好感は持てるが、正直面白くはなかった。面白くはなかったが、そこまで悪い作品でもない。
評価は良い付けてあげたいが、厳しめに「普通」