てとてと さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
美少女スポコンとアイドル。人気イマイチだけど、自分的には(リコリコ別格として)2022夏最優秀作品
女の子たちが身体サポートメカ?装着してバトルアスリーテス大運動会めいて色んな種目で対戦、アイドル活動もする。通称エクハ。
【良い点】
骨子は王道悪く言えばありがちな美少女競技系だけど、近未来SF使った設定が上手い。
身体能力高いとはいえスポーツは素人な主人公が複数競技で大活躍、リアルでは有り得ないが、エクストリームギアの設定がフィクションの嘘になっている。
やはりリアルでは苦しいであろう音楽アイドルとスポーツ両立させる為に練られた世界観。
本作が普通のスポーツ系と異なるのは、複数のチーム競技と仲間集め同時進行している点で、普通の作品だとまず仲間集め→揃ってから試合スタートとなりスロースターターになりがち、対してエクハは仲間揃う前はモブロボット少女を起用する事でカバーしている。
魅力的なライバルたちと好勝負繰り広げつつ着々と仲間集めて更なる強敵と対戦、1話たりとも溜め回が無く12話通して面白い。
クライマックスの試合を最終話手前、最終話は総決算のアイドルライブと、同時期の神クズアイドルと同様の構成も完璧。
主人公たちが各々夢を追ったり事情抱えて解決してチームが集まり、良きライバルとの出会い、清々しい好勝負で交流深まる等々、王道部分が非常に丁寧で好感持てる。
女の子の可愛さ、スポーツシーンの熱さ、交流ドラマの良さ、更には歌やアイドル要素も完備している。
主人公ヒヨリの夢がシンガーソングライター、副主人公サキがサッカー挫折してヒヨリの音楽に救われる、この二人の交流を軸に、スポーツと音楽アイドル活動どちらも真剣なドラマになっている。
チームメイト勧誘パートの各々のドラマも申し分ない。良き家族の理解などでスムーズに進行しテンポが良い。
ヒヨリのリーダーシップがかなり高いのもさることながら、サキも同年代のリセと共感するなど主役級が二人いて軸が厚い。
最初はヒヨリとサキの出会いから始まり、終盤間際にもこのふたりの特別な絆を見せる。
ダイとポップのような別格のコンビ感。
キャラクターの描き方が抜群に上手い。どの子も可愛く持ち味十全に出せている。
ライバルチームも初登場即試合で短い描写でしっかりキャラ立っていたり、1話のみの濃密な交流で良い関係構築したり。
スポーツマンシップあり清々しいチームばかり、6話の敬遠戦略のヒール役も8話水着回で親睦深めて印象好転するなど。
負けたチームとも仲良しになり雰囲気が良い。
1クールでキャラ多い割には空気キャラが殆どいないのは素晴らしい。
競技者だけでなく、剣道少女ユキノの背中押した祖父や母、強過ぎて相手傷付けてしまった空手少女リセの対戦相手の子が非常に良い子だったり、枠役たちも軒並み好感持てる。
キャラデザもかなり可愛く好み。声優も好み。
スポーツシーンは止め絵が多いが、静と動の緩急が巧み、本職の良作たちには及ばないかもしれないが、申し分なく好勝負見せてくれる。
王道スポコンらしい盛り上がりは申し分なく、3話と11話のバスケは手に汗握った。
キャラクターの良さも試合の盛り上がりに繋がる。
アニメ作画はヌルヌル動かすだけが能ではない、本作は絵コンテが抜群に上手い。
歌うアイドルとしても申し分なく可愛かった。
楽曲も豊富。
OPは勿論、最終話のライブでの感極まった涙声で歌うシーンは圧巻。
【悪い点】
特に見当たらない。
強いて言えば、ヒヨリとサキ以外のメンバーの存在感は一歩落ちる感じ。
また難癖気味だけど、王道過ぎて予定調和ではある。もう一ひねり欲しかった気はする。
モブロボ子たちがいないもの扱いなのは世界観が徹底していて面白い部分だけど、ロボ子も可愛いのでちょっと可哀そうではある。
【総合評価】8~9点
スポーツとアイドル二束の草鞋を履いて駆け抜けた良作。
同時期に覇権のリコリコが無ければ、本作を2022夏最優秀作品に推したいくらい高評価。
女の子で複数競技路線としてはバトルアスリーテス(初代)よりも断然面白かった。
流石は都築真紀&西村純二ベテランコンビ。
評価は「とても良い」
【余談】
チーム競技で助っ人ロボットといえば「アズサ、お手伝いします!」彷彿。
能登かわいいよ能登。
アズサはロボットが主役、エクハはモブだけど。