てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
コミカルでちょっとイイ話もある幽霊憑依アイドルコメティー
全10話。やる気の無いダウナー系男子アイドルと、彼に憑依するやる気一杯な女子アイドルが二人三脚でアイドル活動をする。
【良い点】
幽霊憑依アイドル路線は前例があるが、本作はコメディーへの活かし方が絶妙。
他人視点で二重人格に見える男子アイドルが、数々のバラエティーを切り抜けるシュールさも見所。
ユルくコミカルなアイドル物として終始楽しく、適度にイイ話もあり。
9話までで主人公ヒロインのドラマに一区切り付け、最終10話は余裕をもって集大成ライブで締める構成。
10話とちょっと短いながら満足度が高い。
全てにやる気が無いダウナー系な仁淀(によど)の性格が、幽霊アイドルのアサヒちゃんに憑依される状況に絶妙に適応しているやり取りが面白い。
互いの言動行動に呆れ合うリアクションで掛け合いしつつ、いつの間にかベストパートナーになる感じ。
ファン三人娘の存在感も大きく、仁淀全肯定なファン視点でダウナー仁淀と神アイドル仁淀が不安定に入れ替わる度に見せるリアクションでも笑わせる。
推し武道的なファンのリアクション芸な面白味あり、また魂の王位継承権などのパワーワード連発ギャグの切れも良い。
良い子な相方カズキ君も含めて、終始優しい雰囲気でツッコミコメディー展開する感じ。
基本コメディーだが、奇妙な関係からお互い少しずつ成長していくドラマも良い。
仁淀はやる気の無いクズアイドルだが、アサヒちゃんや相方のカズキ君、押しかけファンの瀬戸内らに影響され少しずつ変わっていく。
ファンのコミカルなリアクションも、全肯定して求めてくれるファンの存在を知ることで成長に繋がった。
無理に変わらなくていい、ありのままを肯定してくれるファンがいて、それに応えてみたい想いが芽生える、それがアイドル。
ありのままの自分を見せて、気づかなくても誰かに何かを与えるのがアイドル的なテーマが結構しっかりしていた。
それをコメディー貫いたまま気負わず見せてくれた。
細かい点だけど、8話で仁淀ファンが発狂して店に迷惑と思いきや、大量注文するシーンでフォローしていたのも良い。
アイドルやファンのネガティブな側面をちゃんとフォローしていた、この点は推し武道より高評価。
作画はやや垢抜けないがアサヒちゃんや女子アイドルは十分かわいい。
ガラスの仮面ぽく白目になる感情表現もギャグアニメとして楽しい。
ライブシーンは地下アイドルぽく垢抜けないが素朴で悪くない。
良い意味でB級アイドルな感じで好き。
楽曲もアイドルアニメとして遜色ない。
【悪い点】
作画、キャラデザがかやや垢抜けない。
アイドルアニメとしてはB級感。
コメディーなので許容範囲ではあるが、これで作画も綺麗ならば一段評価上げてた。
【総合評価】7点
ややB級ぽく見えるが、笑いありちょっぴり感動ありの意外な良作。
幽霊アイドル史上一番面白い。(数作しかないけれど)
2022夏の五指に入る面白さ、自分的ダークホースの一つ。
評価はとても良いかは微妙だけど「良い」