シボ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
カッコ良くて可愛らしくて不器用な女の子の物語。
霧の艦隊という得体のしれない艦隊に攻撃され破れた人類は世界中の
全ての海域を支配され、通信を遮断された各国は周りの状況も
わからないまま疲弊していた。
謎の艦隊(旧日本海軍の軍艦を模した)との戦闘。
そしてその軍艦はそれぞれメンタルモデルという名の擬人化された
可愛い女の子がになっています。
カッコイイと可愛いの結合で、それだけでもだいぶ心持ってかれます><!
そしてそれは音楽でも表現されてます。
OPのナノとMY FIRST STORYのタッグ曲「SAVIOR OF SONG」
(MY FIRST STORYとさユりのタッグでのゴールデンカムイ2期OP曲
「レイメイ」も良かったけどこちらも相当カッコイイ楽曲です)
上がる楽曲はもちろんですけど垂直にブチ上がる潜水艦の浮上シーンは良いですね~。
EDは可愛らしい楽曲。
声優さんユニットのTrident「ブルー・フィールド」はこの作品の
もう一つの魅力の可愛らしさ、特徴的なサビのメロディーはこれまた
OPと雰囲気が全く変わって良かったです!
物語のほうは
霧の艦隊の潜水艦であった「イ401」イオナが「群像に従え」という命
により人間の千早群像と行動を共にすることから始まります。
艦船のメンタルモデル達が順に登場してきて
人間と行動を共にするうちに次第に人間寄りの感情を持ち始めます。
艦隊といっても擬人化キャラの人数は少なめで覚えやすくて
より感情移入しやすくて良かったと思います。
最初は無表情な女の子、しゃべり方もどこか機械的。
だけど旅を続けていく間に徐々に変化していった潜水艦イ401イオナ。
仲間を大事に思う姿。
群像を救った脱出ポットでのあの姿を見た時の衝撃、
あれはダメだ~泣く><!
群像一筋なんだけどプライドが邪魔して素直になれない巡洋艦タカオ。
あそこまであらかさまなツンデレ姿。
たまにはタカオの館長になってあげて~って観てました。
そしてその群像への一途な想いでその身を投げ出す姿。
やっぱりダメだ~泣く><!
シャキーーン(これ好きだ~~)の大戦艦ハルナと
なんだかんだ熊の姿の自分を気に入っているキリシマ。
イオナ姉さ~んって最初ちょっと大丈夫かってなったけど意外と
冷静に演算してる大戦艦ヒュウガ。
そんな中、一人孤立していく
艦隊旗艦のコンゴウが自分の中では一番好きなキャラでした。
途中、霧の艦隊から離脱していく子達の行動が理解出来ないって
イオナ達を消し去ることに執着していくあたりから
怒りや嫉妬や葛藤する姿、否定してるけど、感情が溢れ出すかのような人間らしさがとても可愛らしくて・・・。
それでも旗艦であり気位高く振る舞う中、僚艦マヤまでが監視役の
意思を持たない存在とわかり、本当に孤独になってしまいます。
結局、自分の周りから一人、また一人と離れていくのが、
寂しくて怖かった。
そう思ってしまう感情を受け入れられなくて暴走してしまう。
そんな不器用な姿はかつての自分に似ている。
彼女を救いたい一心で一人砲火の中を懸命に突き進むイオナ。
集中砲火をかいくぐって
ようやくたどり着いたコンゴウのもとで必死に訴え続けるイオナ。
姉妹艦だったイ400、イ402のような別れは嫌だって強い意志を感じる
懸命な姿が痛いほど伝わる戦いでした。
一瞬だけど涙ながらに剣を振るコンゴウのあの姿・・・。
コンゴウの死してまで自分を貫こうとしていた鎧がようやく
壊され、うつむき本心が現れたあの、あふれる涙を見た瞬間。
「もう大丈夫」って優しく包み込むように抱きしめるイオナの姿。
こんなの・・こんなのなんかこっちまで泣けちゃう~><!
イオナとコンゴウ、二人の不器用な女の子がお互い本音でぶつかって
ようやく
お互いを認め合う素敵な関係になれたってのが素直に嬉しい!
(仲間達との賑やかなお茶会のシーンもまた観たい)
振り返るとこれで12話なんだって思うくらい人間(艦船だけど)ドラマ
に魅了された作品でした。