蒼い✨️ さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
作画はきれい。
【概要】
アニメーション制作:京都アニメーション
2018年10月22日 - 2019年1月21日に放映された、全13話 + OVA1話のTVアニメ。
原作は、KAエスマ文庫から刊行されている綾野ことこによる小説。
監督は、山村卓也。
【あらすじ】
小学生から始めた弓道経験者である鳴宮湊は、県大会決勝にまで進んだ、
中学最後の試合中に矢が的に当たらないイップスに近い状態になりチームが敗北。
結局治らず、日課のランニングは続けているが、高校からは弓道を離れる気でいた。
風舞高校の弓道部は休部状態だったが、今年赴任した老教師の森岡富男が顧問となり、
弓道部を再興するという。
同じく風舞高校に進学した幼なじみの竹早静弥(湊の弓道仲間)と、
山之内遼平(湊と静弥とは小5以来の再会)は弓道部に入部で、
一緒に高校で弓道をと誘われた湊であったが、早気(=イップス)は治っていなかった。
その夜に鬱屈した気分で自転車であてもなく走り回っていた湊は、
神社から弦音を聞く。神社に入ると「夜多の森弓道場」があり、
そこには、夜多神社の神主で、凄腕の弓道家の青年がいた。
その青年・滝川雅貴と夜な夜な会っているうちに、湊は再び弓道に向き合う気になり、
風舞高校弓道部に入部することになるのだった。
【感想】
放送がNHK総合の番組であることを意識して作られたのでしょうか?
青少年のナイーブな心を軸として、
比較的に地味なキャラデザで描かれたスポーツ部活アニメ。
京都アニメーションらしく、弓道をアニメ化するにあたり、
弓の弦に矢をあてがい、引いて離す一連の動きを映像で細かく研究して手書きで再現する。
その一連の動きの美しさは徹底的に洗練されていますね。
京アニと言えば過去にも「氷菓」のBDの映像特典にロケハン映像がたっぷり収録されていたり、
「響け!ユーフォニアム」でもそうであったように、綿密な取材を下敷きにして、
仕事に真面目で凝り性なスタッフによる、動画の表現力のクオリティは、
技術屋としての京アニの面目躍如でしょう。
弓道の動きだけでなく、上衣 ・袴 ・帯 ・足袋を身に着けた射手の姿勢が、
本当に美しいですね。道着映えするようにキャラの頭身が高いうえに、
キャラデザがすっきりした目鼻立ちのせいか、
京アニの他作品と比べても、小顔に見えてしまいますけどね。
ただ、その丁寧な仕事ぶりの素晴らしさに反して、
自分は何故かこのアニメに好きとか面白いという感情を殆ど持てなかったのですね。
見た目は王道スポーツアニメにみせかけて、ねっとりとした男同士の感情のもつれ。
弓道部員男子5人が下の名前で呼び合って過剰に馴れ馴れしい(小野木除く)のに対して、
男子5人と女子3人の絡みが異様に少ない。ていうか女子の存在感がモブに毛が生えた程度。
課題を克服して上達する技術的な成長面は語られずに、
ほぼ男子部員らのメンタルの話になっててて、
それが解決したら的中率が上がってたというのは、スポーツ作品としてはどうかと思います。
京都アニメーションといえば、
山田尚子さんに限らず表情や仕草で魅せるのが社の共通になっていて、
今作も美麗な作画とともにねっちりと心理描写をやっていましたが、
この会社の作品は基本的にはキャラ重視の傾向が強いのに、今回はキャラが立ってないためか、
個人的には好きなキャラ気になるキャラが不在なために、せっかくのドラマに無関心。
推しメン満載の「Free!」と比較しても単純にキャラクターに愛着が持てずに、
彼らの悩みとかイザコザなんて、心底どうでも良くては話にのめりこめませんでした。
それは、第12話の山田尚子&小川太一の黄金ペアと言っても過言ではない、
連名の演出でもやはり変わらなかったです。
それが、「響け!ユーフォニアム」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
「小林さんちのメイドラゴンS」らは、何一つ問題なく凄く楽しめていたので、
作品ごとの個性差の好みの問題でしょうかね。本当に主観の問題でしょうけど、
薄くて何度も見ようと思えないイマイチな作品に感じられました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。