えたんだーる さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
平曲(語り本)としての平家物語のPV、みたいな…?
観終わってだいぶん経つけどようやくレビューを書く時間ができ始めたのでいまさらのレビューです。
とりあえず「平家物語」や「太平記」みたいな軍記物語は、それ自体が大衆娯楽としても伝承されている物であって必ずしも史実が書かれているわけではありません。そういう意味では「小説」あるいはテレビの「大河ドラマ」みたいな物だと思った方が良いですよね。
なので、大河ドラマがそうであるように史料に現れない人物(本作だとびわ」)が都合よくいろいろな場面に居合わせることにツッコむのはナンセンスなのかなと思います。
原作の「平家物語」自体が、それぞれの場面が臨場感たっぷりに琵琶法師が語るけど「それ、おまえ全部見たんかい」という物なわけです。史実にないことも載っているかもしれません。史書としての「三国志」と小説としての「三国志演義」みたいなもんですね。
(まあ「三国志」も書いてあること全部ホンマか知らんけど。)
といった辺りを踏まえて「平家物語」の魅力の一つに「琵琶での弾き語り」というものがあって、そこを悠木碧さんが情感たっぷりに上手に謡ってくれるのが本作の大きな魅力だと思います。
逆にストーリーについては原作の手堅さはあっても「めっちゃ面白い」っていう感じでもないだろうということで評点は4にとどまっていますが、映像作品として出来は間違いなく良い方だと思います。
(Blu-rayの特典が平曲11曲のCDっていうのは凄く良くわかってると思う。)
でも、「つまらん」とか「観たくない」って人は間違いなくいるだろうなって感じですよね。
余談: 天皇、上皇が生きている間も謚(おくりな)で呼ばれるのはすごく気持ち悪かったんですけど、人物名のわかりやすさ優先だったんですかね…。