てとてと さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
台湾版テイルズ的な?令和アニメとしては古いが、丁寧に作られた良作
台湾のゲーム原作。中華ファンタジーでRPG的な戦闘する、退魔バトル・ボーイミーツガール。全12話。
※作品データベース様より転載
【良い点】
中華ファンタジーで王道的な主人公とヒロインを描けている。
魍魎という悪霊的な怪異が人々に取り憑く事件に対処する主人公らのチームに、
死後蘇り魍魎の力で魍魎倒すヒロインが関わっていく。
ヒロインの小霊(ショウレイ。一人称シャオ)ちゃんが悲劇的背景故に仲間に心開かないのを、主人公オウキが真っ直ぐに接していき
徐々に信頼が芽生える、バトルファンタジーにおけるボーイミーツガールの王道ド真ん中を捉えていて好感持てる。
7話で主人公ヒロインふたりきりになる王道イベントも良い、俺がお前を守る的な奇をてらわぬ展開。
悲劇的ヒロインと彼女を助けるヒーローの構図が明快で非常に良かった。
中盤以降、ヒロインの痛みを主人公が引き受けるギミックも良い。
道教的な?異能の数々で、jRPG的なバトルを中華風に落とし込めている。日本人視聴者にも親しみやすい。
オウキの筆で文字綴って術発動したり、もう一人のヒロイン・シュンキョウの二胡演奏で詩人(バード)的なバフ・デバフ掛けたり。
RPG的なパーティー戦闘のバランスが良く、テイルズシリーズを彷彿。主人公が司令塔として有能なのも良い。
主人公がメイン盾でヒロインがアタッカーな連携もラブコメ的に燃え&萌える構図。
ヒロインのショウレイちゃんが非常に可愛い。ヒロイン度の高さは2022冬随一。
キョンシー?ぽい存在、魍魎の力で魍魎倒すが苦痛と蔑まれる哀しみに耐えて戦う悲劇的ヒロイン。
魍魎倒す為だけの兵器、かつて暴走して味方を殺してしまった重い過去故に忌み嫌われ心開かない…
ロリ中華娘な可憐さと一人称シャオな幼さ、変身時の鬼娘萌え、強がるが脆さ見せるなどのあざとい萌え要素満載。
古いタイプかも知れないけれど、こういうヒロイン大好き。
主要キャラの交流掘り下げが丁寧で捨てキャラがいない。
当初はショウレイにつらく当たっていた丁研も紆余曲折経て仲間の絆育むなど、着々と良いチームになっていく。
凡作ならば嫌われ役で終わりそうな丁研を弱者のコンプレックスや葛藤など真摯に描き、しっかり成長する。
パーティー戦闘の連携が洗練されていく事で、チームの絆や成長の成果を分かり易く提示しているのも上手い。
RPG原作アニメの良さを活かせている。
死者の魂を冒涜する反魂の術を軸にダークなストーリーも良い。
堕とされた死者の怨念に苦しめられるも、仲間の絆で乗り越える展開に見応えあり。
作画水準が高いわけではないが、シャオレイちゃんの感情描写の要所を抑えて可愛らしく描けている。
キャラデザは古いが申し分ない。古いタイプというだけで優劣はなく、好みの範疇。
戦闘がヌルヌル動くわけではないが、要所を抑えた演出。
また二胡による楽曲も見所だった。中華ファンタジーの醍醐味。
【悪い点】
ストーリーは概ね良いが、展開が地味。
前半は個別案件の魍魎退治、中盤キャラ掘り下げは良いが、縦軸の陰謀要素が小出しで話があまり動かず。
終盤もややフラストレーション溜まる展開から、ボス戦がショボイ。やや盛り上がりに欠いた感は残念。
オウキ自身の掘り下げがやや足りず。
またチームの絆は良かったものの、オウキとショウレイ以外の横の交流が弱いため、キャラの重層的な魅力には欠ける。
連携戦闘は良いんだけど、敵がイマイチぱっとしない。
良い点と裏腹、RPG的な戦闘シーンはワンパターンでもある。
タイトルの三國誌(志ではなく誌)の割に三国志武将が桃園三兄弟しか登場せず。
そこそこの見せ場はあるが物足りない。
【総合評価】6~7点
中華(というか台湾)版テイルズ?
近年のヒネリの効いた人気作たちに比べると地味で古いかも知れないけれど、王道な良さがあり、大きな欠点も無い良作。
評価はとても良いには足りないけれど「良い」