Keiner さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
愛の深いキャラたち(全員)
登場人物のほとんどすべてを丁寧に掘り下げていて、悪役、味方役からモブに至るまで、すべてのキャラクターに背景と動機を与えていて、行動に説得力とリアリティがあった。
重要な特徴だと思うのは、物語の中でたくさんの戦いや悲劇が描かれているが、すべて、それぞれのキャラクターの純粋な愛情の結果だということ。だからこそ、そういった争いの解決策、救いとなるのが、主人公ボッチの深い共感と優しさだったのだと思う。
序盤の展開や作劇は非常に美しく、ボッチとカゲの関係は尊いとしか言いようがなかった。
一方で、中盤以降は{netabare}ボッチが急に物理的に最強の存在となり、少しテーマがぼやけてしまった感はある。ボッチの優しさが問題を解決していくというパターンは変わらないものの、その背景にはどうしてもボッチ自身の武力があると思わざるを得ず、リアルと言えばリアルだが、少し寂しくも感じた。{/netabare}
また、全員掘り下げる性質上、主要人物がむしろ空気化する傾向があり、カゲなんかは途中からかなり空気。
終盤は{netabare}絶望的にテンポが悪くなる。地獄の門からの軍勢を食い止めるところとか、もはや牛歩戦術かというレベルで話が進まず、意味が分からなかった。もう少し時間の使い方を考えてほしかった。{/netabare}
通じるところだが、バトルをどの程度描きたかったのか、推したかったのか、ちょっとわからない。やはりバトルをかっこよく、となると、デザインの部分がネックになると思うし、個人的にはドラマ重視にしてほしかったが、すごい作画で尺も使ってバトルするので、そういったところがテンポの悪化に繋がったのかなとも感じてしまう。
とはいえ、キービジュアルだけ見て敬遠するのはもったいない、美しいお話だと思う。ぜひ1,2話を見てほしい。あると思うので、二期が楽しみ。