ねるる さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
薄暮れの情緒あふれる世界と少女の青春の一コマを描いた短編映画
『かんなぎ』や『Wake Up, Girls!』などで知られる山本寛監督作品。上映時間52分の短編映画。
~あらすじ~
東日本大震災後の福島県いわき市を舞台とし、震災で心のどこかに穴が空いてしまった少女が、他人や自分の心と向き合えるようになるまでの日常と青春を描いた作品。
作品の題名にそぐわぬ薄暮れを感じる空気感、舞台となるいわき市の自然豊かで穏やかな美しい背景、感情を表すかのような力強いヴァイオリンの演奏、この3点においてはとても素晴らしい作品でした。作画も音楽も雰囲気もかなり良かった。
残念なのはストーリー。
震災で傷ついた少女に焦点あてたいなら、もう少し震災エピソード入れなきゃ伝わってこない。おまけ程度すぎて残念だった。
せっかく雰囲気のあるゆったりとした舞台なのに、モノローグが多くてサクサク進むからせっかくの良さが台無し。
友達関係はいっそ省いて、少年との話だけに集中して描けばもう少し物語がクリアになった気がする。
声優に関しても少し残念。メイン2人決して下手な訳じゃないけど、固くていまいちキャラの魅力に欠ける作品になってしまったと思います。
物語とキャラクター以外の部分は、作品としてかなり好きだったのでなんとも惜しい気持ちになりました。
サクッと見終われるので、ちょっとしっとりとした青春もの味わいたい時には程よく楽しめるのではないかなと思います。物足りなさもありますが、雰囲気は花丸作品でした。