退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ハイテンション・ガンアクション!
youTubeでPVを見かけて、もろに自分好みの女の子だなあ…と思ったら、百合でガンアクションというので、これはもう観るしかないと。
とにかく動きがすごいです。
オープニングの千束ちゃんが軽くお尻に蹴りを入れて、たきなちゃんがお返しの重い蹴りを入れる、その「重さ」の違いが見ていて伝わるという。
派手な動きは目立つけれど、銃の構え方や撃った時に反動で揺れる体、『ジョン・ウィック』で有名になった接近戦用射撃術CARシステムなどがしっかり取り込まれていて、カッコよければ撃ち方なんかどうでもいいといういい加減さがありません。ガン好きなら観るべき。
世界観も練り込まれていて、制服が政府公認の目印とか、裏で繋がる闇世界とか、細かいところまで気を配っています。だから変な軽さがなくて安心。
またファッションが見もの。ユニフォームのデザインも現実にありそうで、wikiで調べたらプロのデザイナーさんが設定していました。4話のたきなちゃんの着せ替えも必見です。
百合とはいえ先輩後輩の厳しい階級とか、シビアな面もあって、甘過ぎない世界観もいいです。
とにかく、がんじがらめに縛られていたたきなちゃんがだんだん解放されてゆくのが楽しい。笑顔が眩しいです。(>▽<
バディ物というと、ぼくは『ノワール』『エル・カザド』『MADLAX』の三部作とか『ガンスリンガー・ガール』なんかが思い浮かびますが、まさかこんなに明るい殺し屋ちゃんがいるとは…最後まで追い掛けたいと思います。
以下ネタバレ&考察。やたらクドクド書いてるので、お暇な方はどぞ。
<1話>
{netabare}7話から振り返ると、その後の伏線がギュッと詰まったてんこ盛りの回だとわかります。
テレビのナレーションから始まって、千束ちゃんの「…だってさ」というところ、DAやリコリスという組織の危うさがすでに表れてます。
それから取引現場の件で楠木司令の「千束はまだか」の一言に信頼感が滲み出てます。
現場でリコリスのみんながうろたえている中、ただひとり、たきなちゃんだけが冷静に周囲を見回し、機関銃をぶっ放すという。撃った銃はPKMという旧ソビエト連邦製の軽機関銃で、100発入りの箱形弾倉を付けているところから、総重量はたぶん11キロか12キロくらい。口径は7.62mmですから、かなり反動のキツい銃です。銃口付近に八の字の脚みたいな物がありますが、これはバイポッドといってカメラの三脚みたいに重さを支えて撃つ補助器具。こんな物をつけないと大人の兵士でも撃つのに苦労するのに、それを腰だめで体が揺れもせずほぼ水平に連射する…普通、この華奢な体格の女の子なら自分が吹っ飛ばされるところです。そこら辺がリコリスの凄さを物語ってます。
そして、撃った後で現場をよく見回すところ、人質の女の子を気遣うより油断しないところ、怒られてちょっと首を傾げ、「生きてますよね?」の一言。ここで初めて第一声を出すところで、たきなという人間を描き切っています。たったひとつのセリフを言わすことで、その人となりを圧縮するというのが凄い。
そこから喫茶リコリスの面子紹介で全員DA絡みだということ、テレビ報道のナレーション、千束ちゃんが出てきて仕事の挨拶廻りに出るところ、とにかく無駄がありません。話せばいつまでもくどくど長くできるのに、その後の展開になる伏線をチラッチラッと挟みながら、スムーズに流れていきます。
任務優先に生きてきたたきなちゃんが戸惑いまくること(ここのジュース飲む千束ちゃんのほっぺ好き)。
アイキャッチのイラストの対比も意味深。
警察でボディーガードを頼まれる非常識さも◎。リコリスの異常な立場がさり気なく出てます。
さおりの写真で取引現場の謎が繋がるところも上手い。
さおりを囮にするという、ある意味冷酷なたきなちゃんの合理主義。性格なのか、そういうふうに育てられたのか。
ところで、この時たきなちゃんが撃った銃はSmith&wesson M&Pという拳銃だそうですが、サプレッサーを付けて撃ってます。サプレッサーは消音器と呼ばれていますが、音を完全に消す能力はないので、たぶん周囲に銃撃戦であることを気づかれないための措置。それから弾数が異常に多く、数えたらだいたい30発も撃っていますが、元の銃にそんな性能はありません。せいぜい17、8発。でもその後マガジン交換をしているので、デタラメに撃っているということではないはず。マガジンの大きさは普通なので、ひょっとすると口径の小さな特殊弾を挿れているのかな?ここら辺は謎。
ここで千束ちゃんが慌てて参戦しますが、にも関わらずドローンに気付く超感覚。「音出して」っていうのは、サプレッサーを外して発射音を大きく響かせ、向こうの敵の注意を逸らせっていう意味だとやっとわかりました。自分が敵の隙を突くために。ここも細かい。
「クリーナー」は死体や現場を片付けてくれる便利屋さん。だけど生きている敵も保護してくれるのか…。「クリーナーは高いんだぞ!」ってミズキちゃんが言ってるけど、ここもDAを介さない喫茶リコリスの独立性が出てます。
そして、最初の方でテレビが「世界平和に貢献するアラン機関」と持ち上げられていたけど、裏取引の情報を掴んだウォールナット(=くるみちゃん)が、取引相手をアラン機関の手先と見抜いた瞬間に爆殺されるところ、実はアラン機関真っ黒確定という。と同時に、わざと「アラン機関」と告げて挑発するところ、後でウォールナットが生きていることからも、爆発地点は当然ダミーの通信機か何かあったはず。
喫茶リコリスで割烹着?に着替えたたきなちゃんが超絶可愛い。ツインテールって派手だけど可愛さはいまいちだと思ってましたけど、こんなに可愛いツインは初めて。嫌気に引っ張られる表情もすごい可愛い。
で、写真撮って晴れてメンバーの一員になると。この時彼女は気づいてなかったけど、DAに訣別した瞬間でした。
最後に取引現場諸々を阻止された吉松が現れ、ここで輪が繋がります。ミカの驚愕で、吉松と過去に因縁があり、DAとも何かあったのが分かるという。
ここまでダラダラ書いてまだ半分も終わってない。とにかく見応えのある回ですね。{/netabare}
<2話>
{netabare}冒頭、たきなちゃんが制服着るシーンが物凄く好き。なんかまだ状況に不満でダラッとした感が。
それから電車の乗り換えで千束ちゃんの「そぉなのぉ〜?」も好き。口開けて寝てるのも。凄腕かと思うと無防備でズボラってズルい(笑。
楠司令の「ウォールナットは過去30年何度も死んでいる」→くるみちゃんが早熟な天才ハッカーだったとして、少なくとも+10年は必要とすると、つまり…?あるいは誰か(師匠とかお父さんとか)から名前と技術を継承してる?(師匠の方は死亡)とか…。まさかロリババ⚫︎いやくぁwせdrftgyふじこlp
ウォールナットのセリフがくるみちゃんそのままなので、やっぱりスーツケースの中で喋ってたんですね。器用だ…。スーツケースが小銃弾にも耐えられるほどの防弾仕様って、先読め過ぎ。これもミカさんの入れ知恵かな?
それから千束の銃ですけど、ニコニコのコメントで詳しい解説があって、非殺傷弾のために弾が大ぶりで、弾数が少なく5+1発だっていう。確かに5発装填してますね。頻繁にマガジンを交換するのも納得。しかもライフリングがないっていう衝撃のコメント。よく観てるなあ、ガンマニアは…。ライフリングがないから確実に当てるには近づかないといけないので、千束ちゃんの行動が理解できました。それにしてもよく命中させられる、ふたりとも。
↑こういう情報は銃に興味のない人には全くどうでもいいようですけど、ドラマへ微妙に影響すると思ってます。というのも、たとえ銃について知らない人でも、きちんと描かれた絵っていうのは何となく伝わりますから。「よくわかんないけどカッコいい」っていう。現実にありそうな銃だと、リアリティのあるなしでカッコよさが違ってくるので、ここは地味に大切。キャラによってファッションが違うのと同じで。
吉松の「偵察」が、ここで彼の思惑が微妙に外れてきているのがわかる回。ここは一周しないとよくわかんないのかも(実はいまだによくわからない)。{/netabare}
<3話>
{netabare}「失うことで得られるものもある。」
たきなちゃんのDA訣別回。
それにしてもDAの洗脳っぷりがすごいですね。
組織にとっては単なる道具でも、拾われた孤児たちには唯一の居所。存在意義と自分の人生を見事に重ねてる。それと気づかされないように。真面目な顔して言うフキが哀れです。
年端もいかない少女たちを人殺しとして飼っている楠司令は何を思ってるのかなあ。
成長したリコリスたちは卒業して殺しを辞め、普通の人になるのかしら?それともそのまま大人の暗殺者になる?それとも口封じに殺される?どうも気になります。
たきなちゃんが千束ちゃんから「自分のしたいこと」と言われて「へ?」となるとこ、ホントに今まで考えたことないんだろうな…組織に居ることだけが生き甲斐だったっていう。
自分の意志で選択できるのは唯一千束ちゃんだけ。
フキから「相変わらずタフだな」と言われるところ、実は心臓のせいだったのか…伏線が細かい。
それからこのアニメ、モブキャラの描き方が上手いですね。主人公キャラとのバランスが取れてます。喫茶リコリスに来る大人の人たちもイキイキしてるし、DAの少女たちもちゃんとランクごとに印象を変えてる。これはなかなかないと思うんです。キラキラお目々の少女に比べ、男とか大人とか変に劣化して気持ち悪いアニメも多いのに、主人公以外の登場人物にも神経を配れるっていうのはレベルが高い証拠。
そして銃ですが、千束ちゃんの拳銃、先端がゴツいことになってますが、これは接近戦で相手に銃を体に突きつけた時、それを外されないようにするモノらしいです。最近の格闘技は発達しているので、体に直接銃口を当てても交わされる技術がある。銃を握られて強引に逸らされる。でも銃口にトゲトゲがあると引っ掛かって外せない。同時に、弾切れの時にコレで殴るという手もあります(5話でも暗殺者を殴ってます)。サクラもそれにやられました。
決闘が終わって、たきなちゃんが千束「さん」付けを卒業。いよいよバディになります❤︎
いつかエリカちゃんがたきなちゃんに謝れるといいですね。{/netabare}
<4話>
{netabare}デート回&おパ○ツ回。まさかそうくるとは…。
ふたりがそれぞれ無言で赤くなるのが超絶可愛い❤︎
3話で縮まった距離がさらに近くなって、たきなちゃんが本格的に千束ちゃんを意識し始めるのがいいです。
そして、千束ちゃんがさらっと10年もDAに居たこと、待っている人がいること等、物語の根幹に関わるシーンが挟まれているのがニクい。このアニメ、重要なことを重要でないふうにさり気なく挿れるのがすごく上手い。肩肘張って大上段に構えるんでなく、軽くないことをさも軽いように見せるっていう。よくこんな事思いつきますね…。
たきなちゃんの着せ替えはすごく楽しい!ファッションはてんでダメなんですけど、見た瞬間に「かわいい」って思えるデザインとかコーディネートって凄いです。
ついに首謀者の真島が出てくるけれど、どうも背後にまだ何かありそう。
団扇と扇風機の刑は爆笑ものでしたw 「さかな〜★」も超絶可愛い。
くるみちゃんがバーチャルを見ながらテトテト歩くシーンも好きです。とにかく「かわいい」が多過ぎて困るアニメ。
今回ビックリしたのは、パンティを脱ぐ場面。一瞬なので見逃し気味ですが、あまりにも自然に脱いでいるので「えっ」となりました。ひとつは、こんな風にスルッと描けるのは女性でなければまず分からないだろうから。もうひとつは、こんなあからさまなエロ描写をあえて自然に見せるところ。この手の美少女物は仄めかしにせよエッチな要素が日本のアニメに不可欠といっていいほど出ますが、だいたい男目線なので不自然に強調されるのが普通。ところがリコリスではお色気要素が実に「上品」に描かれています。男性ならこのシーンは見せるよね、っていう所をしっかりガードするし。この視点は新鮮ですね。言い方が悪いのですけど、性の商品化っていうか売りにするところを、女の子の生活という感じにスルーしてしまう。調べてみたら原画に女性スタッフが入っててやっぱりなあと。やっぱりリコリスはさり気ないけど根本的に今までとは違うスタンスのアニメですね。{/netabare}
<5話>
{netabare}今回の一番の見所はもちろん「人目がなければ触ってもいい法則(たきな限定)」。(^^
護衛で東京見物で、千束ちゃんがめちゃめちゃ張り切ってるのが良いです。(^^やっぱり人殺しより、人助けが好きなんですね。すごく幸せそう。場所が雷門っていうのがいかにもで。ぼくも好きな場所です。あの賑わいわかる!
おじいちゃんを操ってたのが吉松? だとしたら有罪確定。ほんと手段選びませんね…人間の尊厳とか無視してるし。ここで自分の芝居が壊れて、とうとう真島投入を決意。ダークナイトでジョーカーを雇うシーンみたい。
ミズキさんが喘ぎながら胸を揺らせて走るシーン、実感こもっててすごい。エッチというより、あの重さがバランス崩す感じが。
「千束が決めることだ」って言うミカ先生、もう組織逸脱しちゃってますね。反乱といってもいいかも。下手すりゃ暗殺ものです。それを覚悟のセリフ。
それから千束ちゃんのガンアクション!
暗殺者との対決で2度マガジンチェンジしていますが、まだ弾があるうちに素早く抜いて新しいマガジンを装填するテクニックは、弾切れを防ぐ意味で現実でも行われていますけど、それを走って弾を避けながらやっちゃう超絶テク。
今回は「えっ」という秘密が明かされますが、それを苦に思わない…というか救われた命を自分なりに解釈して、自分でルールをこさえちゃうところが千束ちゃんらしいなあという。
このアニメでは、暗殺者に仕立てられた女の子が、与えられた命令を盲目的に守るのではなく、自分の気持ちに嘘をつかないスタイルを貫くところが新鮮です。
それと敵もお仕事で殺しをやっているという感じが強く、いかにもプロ対決らしい雰囲気で陰惨な空気がないなあと。目撃者も殺しちゃったり、関係ない人を巻き添えにする話が多い中、これも珍しい。独特の爽やかさがありますね〜。
…と書いておいて、ラストにショッキングな展開が!女の子に甘くない世界!{/netabare}
<6話>
{netabare} 大事件!
まずお泊まり回(会)だったこと、千束ちゃんが超絶可愛い私服に着替えたこととか。
ついに真島と邂逅。さすがに中ボスだけあって一時は追い詰められましたが、それにしても千束ちゃんもタフですね〜。車に轢かれたかと思いましたが、きっとあの動体視力と反射神経で交わしたんでしょう。真島に殴られてもそれほどダメージは喰らいませんでしたし。
それよりも、たきなちゃんの銃が今回はハッシュパピーらしいのが、わたくし的にはポイントでした。サプレッサーのおかげで敵もたきなちゃんの位置を特定出来なかった点、さすがリコリスです。
……そして、今回のベストショットは…『ジャンケンで勝ってピョン跳ねる★たきなちゃん』でございます!中の人もやたら気合い入ってた(笑。
こういうショットを観ると、アニメ観ててよかったなあってつくづく思います。これ、手描きアニメだからこそ出来ると思うんです。実写だったらこんな風にならないし、3Dでもどうか。現実では絶対表現できないシンプルな動きの妙。ストーリーとは関係なしに、こういう動きに快感を感じるたちなんで、痺れますね。『魔女の宅急便』とか『おもひでぽろぽろ』なんかでもありましたけど、何気ない部分で凄い動きやってる。リコリスは多いですね、こういうカット。
くるみたんのおでこも毎回愛らしく、ミズキたんの眼鏡っ娘ぶりも毎回堪能しております。今後がますます楽しみでございます。
<追記>セーフハウス(隠れ家)を3つ(正確には4つ)も持っているっていうことは、お金もそれなりに掛かるはず。ということは、千束ちゃんの収入(あるいは支給金)はけっこう多い?他のリコリスと比べて破格の待遇のような気がするんですが、この評価はなぜか?{/netabare}
<7話>
{netabare} ターニングポイント。これまでバラバラだった断片が徐々に繋がって、全体像がぼんやり見えてきました。…とはいえ、吉松が1話でくるみちゃん=ウォールナットにハッキングを依頼し、テロリストへの武器売買を欺いたのは何のためなのか?が分かりません。どうも二股掛けているように見えるんだけど…。そしてアラン機関の真の目的は?
とはいえ、衝撃の事実を知ってもブレない千束ちゃんの強さが出た千束回でした。ヒーローは(女だけど)揺るがないのだ。ちょっと惚れ直した…。
その他、これほど綺麗で可愛いトイレシーンを観たことがなかったとか、相引きの現場を目撃するためにイキイキしまくる四人とか、異常に頑張るミズキさんとか、衝撃の壁ドンとか、色々てんこ盛りでした。ちなみに漫画家さん何気に良いですね👍
それにしてもあの画力…(笑)動体視力は良くても絵は関係ないのかw{/netabare}
<8話>
{netabare}とりあえずハロウィン小悪魔バージョンうぃず千束ちゃん下さい。…じゃなくって、今週から喫茶リコリスはお店経営ゲームアニメに変わりました!…じゃなくって、とうとうアラン機関の魔の手が迫ってきました((((;゚Д゚)))))))。
同じフクロウのペンダントを持っているっていうことと、真島へセーフハウスの情報が筒抜けという点で、どうも二股掛けてるんでないかという疑惑が大浮上。今回初めて電波塔事件がチラッと出てきましたが、あの時千束ちゃんが殺人マシーンとして機能していたことは間違いないよう。その後、何があったのかが重要だと思うんですが…。
それからお店経営のネタ絡みで、どこから資金が出ているのかという話がありましたが、これは珍しいシーンですね。というのも、他の美少女戦士アニメで経済的な事に触れることはほぼ無いからです。大抵は都合よく無視するか、なんとなくバックボーンにお金持ちがいるとか、政府が出しているだろうとか、想像するだけ。
ぼくは個人的にお金の要素にある程度こだわっていて、というのも、お金の出所によって主人公が拘束されているかいないかが別れ目だと思うからです。
例えば美少女戦隊がいたとして、その装備は誰が開発して、資金は誰が出しているのか。彼女たちにご飯を食べさせるお金はどこから出るのか。女の子は普通学校へ行ってて働かないし、当然収入は他人任せ。だから誰がお金を握っているかで下手をすると彼女たちの人生すら左右されるかもしれない。政府がお金を出しているなら、その政府が出さないって言い出したら、彼女たちは何も出来ないことになります。この自由度の無さがいつも頭に引っ掛かっていました。
今回の帳簿見直しの件で、リコリスが組織に飼われていること、それゆえに言い方は悪いけれど首輪を嵌められていることも判明しました。でも、たきなちゃんが意外な経営能力を発揮し、独立採算制を採れること証明し、リコリスは他人の助けがなくてもやっていけますよ、というメッセージになった。これは非常に重要だと思います。いざとなれば殺しなんてやらなくても立派に生きていけるんですから。だから、もし誰かを倒すなら、それはリコリス独自の倫理やイデオロギーで相手を選ぶことが出来るかもしれない。組織に盲従する必要はないんです。そういう点を、実は他の少女戦士物では消化していないのが多い気がします。裏では組織に頼ってますよっていう。『スレイヤーズ』のリナ・インバースのように自分の才能だけで食っていける子ってそれほどいないんじゃないでしょうか。…まあ、関心のない人はどうでもいい問題ですが、それをあえて出しちゃうっていうところがリコリスらしいですね。
…とはいえ、今回のイチオシはたきなちゃんから千束ちゃんへのプレゼント。千束が単なるパートナーから『大切な人』へ変わってゆくシーン。ちょっと焼き餅や切なさがあるのがとってもキュンときます。恋なのか友情なのか、それはなんでもいいけれど、たきなにとっての千束が無くてはならない人になる…ここら辺が百合の醍醐味だなあと。ちょっとしんみりしちゃいましたね。
それにしてもウ⚫︎コがウケるのか…まあ、食べてみたいかって言われれば食べたいけど。ミズキさんのアドリブは絶好調だし、くるみちゃんはお持ち帰りしたいし。しかし、押し入れってあんなに広かったっけ…?{/netabare}
<9話>
{netabare}「餞別だ」「行ってきます」
サヨナラを言う者と帰ってくると約束した者。
あえて言わなくても心を通わせる者たち。
う〜ん、そういうリミットか…。これは大きな分岐が来ました。悲劇で終わるのかハッピーエンドか。どちらにせよ千束は最後まで千束だろうし、周りがどう動くかですね。そういう仕掛けがあるから、千束ちゃんの行動が初めて理解できた回でした。
同時に、ミカと吉松の一度は理想を共にし、愛し合った者たちの苦悩。おそらく吉松は死ぬことを恐れていない。それがどういう信条であれ、自分が信じたものに殉じると思います。ただ、その答えが意外な形で返ってきてしまった…さあ、っていう。ミカの方はもう親の気持ちで。まさか自分が…と。
相変わらずぶっきらぼうなミズキさんと、先を読むくるみちゃん。みんな、センチメンタルに泣きはしないぶん、かえって伝わってきて。
DAも色々含む部分もあるし…っていうか、ヤバくなったアラン機関を潰して隠蔽してしまいたいお偉方が背後にチラチラするんですが。
ちさとちゃんガンバレ!!!(>ω<;)ノシ{/netabare}
<10話>
{netabare}ついに踏み込んできたなぁ、という。
珍しいアニメですね本当に。あんまりアニメ観てないんで、こういうのはもうとっくに出てるのかな?
真島の言う事にちょっとだけときめいてしまった…。いや、犯罪者には違いないんだけど、どこか日本ってそういうとこあるよね?とか。
壊す側の屁理屈と維持する側の屁理屈が堂々巡り。
権力のためなら少女を使い捨ての道具にしても構わないという連中と、世界が壊せるなら誰が泣こうが…というより誰かを泣かせたくて暗躍する連中。その違いはほんの僅か。
実際、今の日本って危うい立ち位置だなと思います。
もう何十年も戦争経験してないし、お隣の国は騒ぐし、将来に不安を覚える若者は沢山いるし…ちょっとしたきっかけで平和なんてすぐ壊れそう。
そこで崩れるか崩れないか、その別れ目は案外千束ちゃんのような人が握ってるのかも。
速攻で許す彼女は、前から薄々分かっていたような。揺るぎない強さ、辛さを笑いに変えられる気持ち、そういう強靭な心って誰もが持てるわけじゃない。たきなちゃんが惚れるわけです(←強引)。
くるみちゃんもミズキさんも絶対引っ込むわけないし、ここからの反撃に期待します。
あ、パパさんカップルってとうとう出たね〜、いいんじゃない、百合カップルもいることだし〜、もういい加減テンプレなゲイとかいいし。ミカさんも応援してます。
たきなちゃん本気モードで怖いですね。でも肩関節を外すだけって優しい。
追伸:千束ちゃんの振袖姿めっちゃいい👍{/netabare}
<11話>
{netabare}とうとう真島と最終決戦。
今回はくるみちゃん最強説が浮上。どんだけデータ駆使できるのw 半ば予想してはいたものの、これでウォールナット株爆上がりですね。同時にグッバイ、バンクーバーの彼氏(笑。きっと良い男はカナダにはいないのさ(いっそくるみちゃんの嫁になるという選択肢m(ry
延空木では、やっとエリカちゃんがたきなちゃんに謝れてよかったね。…でも、前から思っていたんですけど、仲間を平気で罵倒できるとか、チームとして機能してないんじゃないかと思います。互いに不信感を持っていれば肝心な時に連携が取れないし、他のチームに要らない競争心持つとか、やっぱり子供なのかなと。英雄になりたがる人間はプロにはなれない気がするんだけど…そこはJKの限界なのかな?
それと楠木司令の対応が鈍過ぎ。千束ちゃんに連絡が取れない時点で確認を怠っているし、スマホが放置されていたらまず疑うでしょう。この人、指揮官として迂闊なのでは…。目の前の任務を遂行する以外眼中になさそうだし。
リコリスを世間にバラすとは…その発想はなかった。新しいタイプのテロかしら。
それにしても新しい心臓を隠しているとか、吉松が千束ちゃんを弄んでいる感じが気に入りません。たぶん彼女は恨まないので、その分なおさら。
真島の音で見るっていうコウモリみたいな能力、新鮮です。互いに相殺する能力っていうのが面白い。闇に生きる男らしい。
突っ込んでくるたきなちゃんカッコよかった👍
あと1、2話ですけど、どんな形で終わるのかなあ。真島も死なせたくない気がする。悪い奴だけど。{/netabare}
<12話>
{netabare}怒涛の展開!
冒頭であっさり決着ついたなあと思ったら、その後始末が大変なことに…。
吉松が完全に狂った価値観をもって千束ちゃんに強要するところ、彼なりの「愛」があるんだろうなあ。少なくとも本人はそう思ってそう。
秘書さんが何気に有能でカッコいいですね。冷たいロボットのような顔してるけど、中では何を考えているのか…思考回路は吉松と同じかな?
たきなちゃんの魂の叫びが聞いてて辛い。それを止める千束も。
それからやはりウォールナット最強。完全に楠木司令やDAを欺いてるし、吉松ですら気づかない様子。ヨウジョを敵に回してはいけないという教訓ですネ。
今の時代、フェイクだって言うとだいたい通じるところが怖いですよね。これだけCGが発達してしまうと、何が本当なのかますます分からなくなってくる。「なあんだドッキリか」って信じたい方に信じる人たち、自分に重なって見えるとこも怖い。『未来少年コナン』でラナがホログラムが本物だと思って手を差し伸べたら、その人間が素通りして悲鳴を上げるっていうシーンがありましたけど、その時はSFだと思ってたけど、いつの間にかあと一歩っていう。脳味噌にデバイスとか埋め込む時代になったら、もう分からなくなるぞ〜、どうするんだ。
リコリスがバレたらあっさり消そうっていうところ、いかにも国家権力らしい。その対応がザルな点も。いまさらですけど、ティーンエイジの殺し屋って目立たない以外なんの利点があるのかよく分かりませんよね。経験は不足しているし、体力的にも…普通に傭兵雇っちゃいけないのかな?そこはツッコむなというところですが。所詮、権力なんてこんなもんさっていう。『ダークナイト』のジョーカーじゃないけど、平和の幻想が崩れたら耐えられるのか、そこまでしがみつかなきゃいけないものなのか…。
「乳くりあう」というお下品かつ的確なサクラの指摘。やっぱり千束ちゃんとフキって仲良いんだなあ。
で、やっぱり真島が出張るという。
驚いてない千束ちゃんの様子、「やっぱりな」が顔に出てる。凄腕の余裕か。
バッドエンドはないと信じてますけど、どう収束するのか予想がつきません。最終回に期待!{/netabare}
<13話>
{netabare}「わたしたちで決めましょう」
終わった…さみしい。
最後はミズキ姐さんの一声で〆(シメ)ッ!
なんか花火のシーンで真島が本当にしたかったことが分かったような…とはいえ、やっぱり生き延びるのかw
結局すべてはうやむやになり、リコリスの制服もまだ健在で、黒い組織たちの暗闘は続く…世の中そんなに変われないやね。
観終わって、結果的に最小限の「犠牲」で済んだんですね、メインキャラは。陰ではけっこうな人が死んでますけど。
吉松を殺すのはミカさんしかいなくて。彼もそれを望んでたのかも。千束ちゃんか恋人かに。
おおかたの予想は合っていたと思うんですけど、その後の展開がまさかのワイハ。「したくてもできなかったこと」はいっぱいあって、これからが忙しくなりそう。大丈夫、クルミちゃんがいればサクッと偽z…いやいや、普通に行けますよ?(棒読み)
個人的には喫茶リコリスの復活がうれしいです。いつか行ってみたい。
サクラが重症を負った時はヒヤッとしました。どっちかというと嫌いなキャラなんだけど、やっぱ死ぬのはね。なんだかんだで彼女もフキの相棒になろうと必死だったし。
たきなちゃんはもう周囲になんと言われようと自分で行動できますね。フキたちより強くなってたし。「相棒」認定おめでとうございます!個人的には教会が建った気分。自分内の妄想ですけど、たきなちゃんを抱き上げる千束ちゃんがウェディングドレスを着ているみたいでした。
刑事さんたちもしっかりキャラ別でエンディング迎えたり、まさかのジンが登場!なんかもうリコリスワールドが出来ちゃってて、ちっさい宇宙になってますねw
楠木司令の依頼を堂々と蹴っちゃうところ、とうとうリコリスは独立しました!これからは世界のあちこちでヘルプするに違いない。ミッション・イズ・リコリス!「はしゃいでんじゃねーぞ」{/netabare}
…いや〜、楽しかった〜、いろんな意味で。
ネットラジオによれば小清水お姉様と久美様のアドリブが凄かったらしくて。主人公のふたりのアドリブも炸裂していたようで、あの勢いは中の人のエナジーか!ポンポン飛ぶ会話が絶妙に楽しかった。台本以外のボソッと聴こえるセリフも。
とにかく色々な仕掛けが沢っ山ありますんで、探す楽しみてんこ盛り。もしかしてもしかしたらまだ観ていない人はぜひぜひお勧めします。色んな楽しみ方がありますので、女の子が可愛い〜でもいいし、アクションがカッコいい!でも、あの服がいい!とか、あの背景が!あの組織が!BLが!百合が!と、理屈抜きで楽しめると思います。
その一方、深読みできる要素もゴツ盛りですので、考察したい人はいっぱい考察するといいかも。それも楽しい。
ということで、いらんレビューを長々と書けるくらい楽しいアニメでした。おわり!
<まとめ>
{netabare}美少女アクション物という、もはや日本アニメでは定番と化しつつあるジャンルに一石を投じた作品でした。
海外ではティーンエイジはやっぱり子供扱いで、まあ日本もそうなんだけど、スタンスが微妙に違いますよね。海外なら子供はやっぱり子供で、お父さんがいてお母さんがいて、いなかったら別の親がしっかり管理して…っていう風になりがちで、基本的に法律で禁じられている行動は取らない(取れない)。そこら辺、やっぱ規制とか倫理とか評判を気にしてるんだろうなと。
一方、日本では親が居ないか空気になっているケースが多くて、家族ぐるみで描くっていうのはそんなにない気がします、ファミリー向け以外は。基本的にウザい?みたいな。だから良くも悪くも子供が主体で動く。典型的なのは機動戦士ガンダムとか。いかに親や先生を上手に排除するのか、というのがテクニックとして問われる感じで。
とはいえ、それが子供=主人公の自由に繋がるか、というのとは違うと思います。見てると、凄い力は持っているけど結局体制の枠に嵌められてるとか、変な喩えだけど孫悟空がお釈迦様の掌の中で暴れてるだけ、っていう感がけっこうあったり。よく考えると大人の、それもこの手のアニメなら男の都合の良いように扱われているかもしれないっていう。
この分析が正しいかどうか分かりませんが、少なくとも『リコリス・リコイル』はそこから逸脱しようと試みたアニメに見えました。
レビューも賛否両論で、よくあるのは「少女が人殺しなんて」っていう、それならなんで観ようと思ったのかな?とも思うんだけど、たぶんもっとファンタジックでモンスターとか人間以外の敵を殺すものっていう期待があったのかもしれません。
だけど、続けて観れば分かるように、リコリスは「人殺しを卒業する少女の物語」で、周囲が勝手に決めた価値観を捨てて、自分の生き方を自分で決めるっていうごく当たり前でいながらなかなかないストーリーだったと思います。
本当は話が始まるずっと前から千束が悩み苦しんで得た答えが「喫茶リコリス」という形になったわけで、そこを描けばいくらでもシリアスでドロドロした、言い方は悪いけど一種のお涙頂戴アニメになったかもしれない。そこをバッサリ切り落として、私は決めたよ!っていうとこから始めて、そこへまだ洗脳されているたきながやって来る…つまり、井ノ上たきなはかつての自分であり、でも生き方は自分で決めて欲しいからDAに戻ることを応援しようって形で始まったんだと。
で、色々あったけど、たきなが見つけた大切なものはDAになかったわけで。それは今まで自分が価値を見出せなかったものだったり、人たちだったり、何気ない空だったり。そこへ至るまでの道程っていうのは最後までブレなかったと思います。
煎じ詰めれば、これはみんながやっていることでもあり、上手くいったりいかなかったりするんですが、「親に言われたから」「みんながこう言うから」なんてのは大人になったら通用しないわけで、自分の道は自分で決めなきゃならない。でも千束のようにスッと抜けるような速度で行ける人はあんまりいないかもしれない。少なくとも、自分としてはそこにスカッとするものを感じました。
軽〜い感じに見えますけど、それぞれの生き方っていうのがしっかり描写されていて、とても丁寧なアニメでしたね。漫画家さんが明日〆切なのに大好きなゲームのために「今を生きる!」とか宣言するとか、ああこういう人いるよなぁ〜とか、「もう署長の犬ですから」っていう刑事さんとか、記号じゃなくって人として描いてる。どうでもいいエキストラではなく、ちゃんとした人間にすることで、逆に千束が大切にしてるものが浮き彫りになる。
それから仕掛けの多さにも唸らされました。
たぶん半分以上は気づけなかったと思うんですけど、「ここのこのシーンはあの意味だよね」っていうのがいっぱいあると思う。中にはスタッフも考えなかった考察をする人もあったようで、それくらい想像を刺激するネタが転がってました。風景もよく考えられているし、特に喫茶リコリスの構造とか凄い凝ってますよね。背景画一枚描いて使いまわせばいいのに、クルミの押し入れは両側に開くとか、パッと見には気づかない演出がニクい。これは円盤買って何回も見返すところかと。
千束とたきな以外では、ミカの立ち位置が絶妙でした。日本人じゃないけど日本語ペラペラで違和感なくって、過去には後ろ暗い事いっぱいしてそうで、でも今は気の良いオッサンを演じるっていう。親ではないけど、性的な結びつきを感じさせもしないし、歳の離れた恋人でもなければ、赤の他人でもない。といって仲間って感じじゃない。強いて言えば身内?くらいな。
それに比べると6人の中ではミズキの存在が謎ですね、よく考えると。なんか給仕以外は酒呑んでる印象しかないですが(「っだとぉ!?てめっ」)、元DAだそうですけど、組織バンザイって感じじゃないし、「しょうがねえな」って言いながら千束たちにつき合ってやるっていう。年柄年中男が欲しいと叫びながら本気で探すつもりはないようだし。なんだか彼女が真のボス的な感じ。中の人の上手さが炸裂したキャラでした。
クルミはホントに可愛くて、特にあのおでこが。容姿に反してクールな言動もツボでした。でも物語的には彼女がいないとなんも出来なかったんですよね、情報源と司令として。ピンチの時は誰よりも素早く判断してるし、対応も早い。先を読む能力もズバ抜けてる。登場した人間の中でトップじゃないかしら。
フキははっきり物を言うタイプですが、なんだかんだで肝心な時は何が大事か考えられる子でしたね。千束のことも心の底では信頼してるし、後輩想いでもある。負けたサクラへしっかり言葉掛けてるし、あえて嫌われ役に徹することも辞さない。とはいえ、あくまで組織で生きる人間なんだな…今は。
サクラも憎まれ口を叩きますが、たきなの後釜っていうことで、自分の地位を守りたいっていう野心は健全なもの。陰湿なイジメもやらないし、先輩にはついてゆくタイプ。
エリカとヒバナの関係もけっこう重要で、たきなの成長を伺えるエピソードになってました。モブキャラだから手を抜いているように見えますが、セリフを聞けばちゃんとキャラが立ってるのが分かる。
吉松は一応悪役ってことにはなりますが、彼、個人的な野心が全然ないんですね。
金が欲しいとか権力が欲しいとかってわけじゃなく、真島のように世の中を壊したいわけでもない。むしろ続いて欲しいけど、そのためにはアラン機関が育てたチルドレンを純粋培養したいっていう。過去になにかあったらしいですけど、アニメを観た限りではクレイジーだけど純粋な理想主義者、あるいは殉教者みたいで、憎めるキャラではなかったです。少なくとも自分の命と引き換えに何かを成し遂げたいと思ってて、それが届かないことも分かってる。そしてミカが自分を殺しに来ることも…。
その吉松の影に寄り添うように姫蒲っていう秘書が暗躍しますけど、彼女もロボットっていうより、吉松に殉じる感じで。セリフが極端に少ないけど、なんかそんな感じ。
ロボ太は俺TUEEEEEEしたいだけのキャラでしたが(笑、小者感あふれてて面白いキャラでした。彼のテンションの高さが盛り上げに一役買ってたし。
真島は、あ〜やっぱり死なないよねぇ〜〜、っていう。ある意味個人ではなく象徴っぽいですね。こういう奴はなくならない、とか。「この遊びを終わらせたくない」みたいな。
で、凄かったのは、全回に渡って作画崩れが一度もなかったという。
一瞬アレ?と思ったか思わないかくらいで。
いくら短いとはいえ、13話もあればどれか1回くらい作画が乱れる回があってもいい気がするけど、全くありませんでした、これだけ動かしていながら。ってことは、如何に綿密に計画しているか、放送が始まる前に仕込みをしていたか。ここら辺は業界の人ではないので想像するしかないですが、よく描けたよな…って思います。それから女性アニメーターさんの演出が良くって。女性の描くパートが多いから、あれだけ自然に動けたんじゃないかな〜と。
ロケーションもしっかりしてるし、細部まで気を配ってました。だから何回観ても何か発見がある。こういうアニメはなかなかないと思うんですが。
お話としてはコンパクトにまとまっていて、無理がありませんでしたね。
キャラの数を固定し、「実はこんな強敵がいた!」とかご都合主義で回さず、あくまで関係性で進んでゆく。イレギュラーっぽいのはサイレント・ジンくらい。その彼もミカと繋がりがあるし、出て終わりっていうキャラがいませんでした。やられ役のモブもちゃんと地位があったし。
続きありますよっていう色気を出してもよかったけど、きちんと閉じるのが気持ち良かったです。
あとは…だいたい書いたかな。女の子の可愛らしさで売らないアニメで良かったです。オッパイを揺らすとかパンティ見せるとか、それも嬉しいけど、シラケますからね…。
あと「悲劇の主人公」じゃないのもよかった。泣いて人を殺すとか、それなんの言い訳?っていうのがあるけど、変に深刻にしないのが。
リコリスは独特なので、こういうのが増えればいいと単純に言えないですけど、完成度の高さではずば抜けた作品でした。楽しかった!{/netabare}