タック二階堂 さんの感想・評価
2.4
物語 : 1.0
作画 : 2.5
声優 : 4.5
音楽 : 2.0
キャラ : 2.0
状態:途中で断念した
みなしご坊っちゃんと黒メイドラゴンが怪しい。
詳細は略。
制作はSILVER LINK.×BLADE。シルリンはともかく、BLADEは「いわかける」というメイドならぬ作画が怪しい作品を制作していますね。
監督はみなとみらい氏。原作は昆布わかめ氏と、まあ「ジャヒー様はくじけない」スタッフが送る新作アニメですね。クールの頭からでなく、約1ヶ月遅れで始まるあたりも「ジャヒー様」と同じパティーンです。まさか2クールやらないよね?(と思ったら、来年2月に「全11話」収録のBlu-ray BOX発売予定だそうで)
内容というか設定は「死神坊ちゃんと黒メイド」に酷似。基本は坊っちゃんとメイドの2人が繰り広げるコメディ…ちょっとラブも入るのかな、って感じなので、そういったところは良く似ていますね。
んで…
=====初回視聴後、所感です。
{netabare}
なんでしょうね。世界観は昭和初期頃のヨーロッパといったところなんでしょうけど(古い型の路面電車が出てくるので)、坊っちゃんが全自動洗濯機で洗濯したり、ダイソンみたいな掃除機で掃除したり、カップラーメンを食べていたり、(妄想だけど)パソコンが出てきたりと、めちゃくちゃ。
メイドありきで物語を作るから、こういった整合性がまったく取れていません。でも、メイドがいる時代背景を描けないから、「いいや、どーせギャグ漫画だし」といった乱暴さを感じました。
ストーリーは、基本的には以下のような天丼を延々と繰り返す感じ。
メイドが何かをしている→あいつは怪しい→問い詰めると色仕掛けでメイドがからかってくる→無自覚に男前なセリフを言う坊っちゃん→メイドがポッ
んーっと面白くもなければ萌えもしない。こんなの、速攻で飽きそうです。
メイドの個人情報を何も知らないからって、いったいいつそんな物を受け取ったのか、履歴書を見る坊っちゃん。「よーし、あいつの名前はリリスだな。名前を呼んで驚かせてやる」はいいけど、個人情報何も知らねえとか言いながら、履歴書で名前しか調べないんかーい。
なんていうんだろうね。この不自然さも、謎に包まれた怪しいメイドと「お前は何を企んでいるんだ」というやり取りを今度も続けるために、あえて見ないという感じがしてなりません。
そんなの履歴書には名前と写真しかなかった、ということにしとけばいいだけじゃん。細かく経歴とか書かれている感じの履歴書をファイリングしてあるという見せ方は、悪手でしかないです。
あと、これはどうでもいいことではあるのですが、メイドが夕方に突然やってきました。「こんな遅い時間に申し訳ありません」。いや、どう見ても夕方ですが。そこまで遅い時間ではなくない?
まあ、内容が弱いことをわかっているのか、坊っちゃん役に早見沙織さん、メイド役に高橋李依さんという実力派若手女性声優を起用しています。おふたりの演技は素晴らしかったです。
とりあえず3話まで様子見で。
{/netabare}
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
う~~~ん…
えっと、結論から言えば近年稀に見る面白くなさです。
1話で懸念していた「坊っちゃんがメイドを怪しむ→問い詰める→メイドが思わせぶりな態度を取る→坊っちゃんが無自覚に口説く→メイドがポッ」というパターンを延々と繰り返します。
ブツブツと細かいエピソードを積み重ねる(しか方法がない)のに、それが動きがないもんだから、1エピソードが非常に長く感じます。だから、30分枠が長ーく感じるのです。悪い意味で。
作画も、決めのメイドのキャラ作画は気合いが入っていますが(今回で言えばラストの着替えのシーンとか)、それ以外&背景・小物の作画は省力。メシ作画もいい加減でしたしね。
たとえは悪いですが、チェーン店の牛丼みたいなアニメ。
クズ肉とはいえ牛肉を、お金をかけずにサッと調理して500円とか、そういう感じ。極力コストを掛けずに「こういうの好きなんだろ」って層に向けて提供している作品です。
でも、そういう牛丼はたまに食べるから美味しいのであって、毎週だと飽きますね。ここで切ってもいいんですが、いちおう来週は新キャラというサイドメニューのポテサラがつきそうな雰囲気なので、もう1週だけ牛丼を食べます。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
もう、頭がヘンになりそうです。世界観がグッチャグチャ。
中世ヨーロッパ的な洋館で、黒メイドを住み込みで雇っているという世界。なのに、坊っちゃんが小学校に通います。まるで、公立小学校のような内装の教室。
で、給食が出るんですが、ステーキを食ってる坊っちゃんの隣で、アフタヌーンティーセットで丸いパン?(チョコパンみたいな)のを紅茶と一緒に食べているお嬢様。その前の席では寿司…
しかも、これ、ケータリングみたいな感じで、食べ終わった食器をカートみたいなのに乗せてんの。で、これが給食だそうです。
新キャラは五条院つかさという。
えっ? ここ日本だったの?????
坊っちゃん、学校は楽しかったですか?
うん、給食も美味しかったし。
それはよござんした。夕食はハンバーグですよ。
わーい!
え? 坊っちゃんステーキ食ってたじゃん。
で、ハンバーグを作るために黒メイドは商店街にサンマを買いに行きますよ。でも、どこもサンマは売り切れ。商店のおじさんは「そのかわり、活きのいいカツオが入ってるよ」と一本まるごと見せます。
??????
いくつかの鮮魚店(商店街に、そんなに鮮魚店ないだろ)を回ったけどサンマはないです。考え込む黒メイド。そのうしろには、なにやら絡みがありそうな店員のおばさんが微動だにせず直立不動。カメラが黒メイドに寄っても微動だにせず。ただの背景でした。うーん、手抜き。
そしてサンマを探しに黒メイドは、昭和初期頃の路面電車に乗って隣町に行くんですね。でも、すっかり遅くなってしまいました。お屋敷にスマホを置いてきちゃったんですね。え?スマホ?
そして、たまたま漫画を買いに長いリムジンで出ていた五条院家の執事的な女性。「こんなところになんで? サンマ? 地元の店でもよろしかったのでは?」
いやいや、それはお前に言いたいよ。漫画こそ地元の店でいいだろ。しかも、リムジンで買いに行くかよ。
なんだろ、これ?
ボケなのかなぁ…
えっとね、新キャラが出て動きが出るかと思ったが、想像通り坊っちゃんと黒メイドのイチャイチャに興奮するという、完璧に「小林さんちのメイドラゴン」の才川キャラでした。簡単にいえば、ただただウザいキャラが増えただけ。でも、なんと声優には堀江由衣さんを起用するという…
これ、もしかしたら確信犯かもしれないですね。
原作がちっとも面白くないから、実力派声優で固めて、ドルオタ狙いで指原PのアイドルグループをOP主題歌に起用(さっしーが作詞だってさ)。目先を変えるために、「ジャヒー様」のときにも使ったクール開始から1ヶ月遅れでスタートして注目を集める…
人気作にしようと策を弄するのは「リコリコ」も同じですが、こっちはやり方が下手というか、お粗末というか…
原作が面白くないんだったら、脚本や演出、作画の工夫で面白くする努力をすればいいのにと思います。だって、給食のときの「寿司」作画を見ました? ひっでえ作画ですよね。ちっとも美味しそうじゃないもん。
邪推じゃなく、いろんなところからメイド要素(とか設定)をかいつまんできたというのがわかりますよね。「死神坊ちゃんと黒メイド」「小林さんちのメイドラゴン」…
で、その結果、世界観がめちゃくちゃ。
知らないことは描かないほうがいいと思いますけどね。メイドとかがいる上流階級とか知らないんでしょ? 商店街に買い物なんて行かないよ。メイドが不在だからって週刊少年誌を読みながらポテチなんて食わねえよ。
軸が何もない作品は、いくら「どうせエロ可愛いセクシーメイド出しときゃ釣れるんだろ」という思惑があっても人気は出ませんよ。久々に、これっぽっちも面白くない作品を3話まで観ました。以上。
{/netabare}