てとてと さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
異世界ファンタジーでダーティペアみたいな女の子達が活躍する43分のOVA
男勝りな赤髪の少女剣士ジーラと青髪しっかり者の少女魔術師のコンビが、奴隷船に囚われた王子の依頼でカルト宗教国家に挑んでいく。
【良い点】
90年代の硬派な異世界ファンタジーの雰囲気が良い。
ダーティペアめいたコンビ(制作陣がダーティペアと同じ)の可愛さや掛け合いが軽妙。
救護対象の王子ふたりが容赦なく斬られるハードな展開ありつつ、キャラの活力で軽快に進行。
ストーリーは悪のカルト組織?に囚われた姫と王子たちを救うべく主人公コンビが剣と魔法で立ち回る王道。
悪側も幹部二人が一枚岩ではないが各々の目的や思惑はちゃんと伝わるし、話もやや急だが王道。
全4話予定で1話打ち切りだが、この1話のみでも起承転結ちゃんと完結していて見やすい。
この世界の情勢や主要キャラのバックボーン(ジーラは元お姫様、速水奨ボイスのイケメンに婚約迫られてる、グーデとの幼き日の出会いなど)は丁寧に描かれており、原作未読でも分かり易い。
この1話だけでは不十分ではあるが、最低限の情報はちゃんと分かる。
ケイめいて男勝りなジーラ、ユリめいてしっかり者なグーデなど主要キャラはしっかり存在感出している。
一枚岩じゃない敵のシャーガンとセルディオンも悪くない。
特にセルディオンはありがちな腹黒悪党で粗暴な剣士と思いきや、意外と知的紳士だったり実力に見合った自信滲ませていたり、派手なキャラではないがちゃんと存在感あった。
キャラデザはダーティペアぽいがOVAだけあって綺麗。
ジーラの軽装な胸元が健康的で良し。グーデの幽体離脱魔法?で全裸になるのも良きサービス。
ジーラの殺陣はヌルヌル動くわけではないが躍動感あり。
【悪い点】
王女と王子たちが悲劇的で報われない。
彼らの掘り下げや主役組との交流が不十分で、悲劇的な割にあまり感情移入できず。
最低限の情報は開示されるがやはりこの1話のみでは説明不足。
2話以降制作されていればジーラやグーデそして魔族の生き残りの男の子オーリンのエピソードがもっと見れたと思われ。
ストーリーは分かり易くテンポも良いが、1話だけでは詰め込み気味。
存在感見せていた敵二人も終盤呆気なく、ラスボス?もアッサリ退場で盛り上がりに欠いた。
【総合評価】5点
打ち切りOVAの割には完成度が高い佳作。
打ち切られず全4話見てみたかった。
評価は普通寄りの「良い」