てとてと さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
警官がコンビ組んで怪物とバトルする刑事物。適度なシリアスと軽妙なコメディーで見やすい
全13話+特別編3話。「TIGER & BUNNY」の「バディシリーズ」だが世界観が同一かは不明。
摂取すると怪物化する薬物と犯罪陰謀を巡り、ヒーローめいたパワー持つ警官たちが活躍する。
【良い点】
コメディー調な洋画の吹き替えめいた雰囲気を意図的に出してくる事で、軽妙な作風に仕上がっている。
ナレーションのおちょくった感じもいい味出している。純情なキリルが翻弄される様が楽しい。
怪物化させる薬物蔓延や貧富の差、復讐などシリアスなドラマの手を抜かず、それでいて軽妙でコミカル。
魅力的なキャラ層が厚く、洋画コメディー調な茶化しや掛け合いで雰囲気が楽しい。
シリアス面も悪の組織に捕まってピンチなどベタながらハラハラさせる展開がある。
シリアスとコミカルの配分が良くて見やすい。
特別編はほぼコメディーなサービス回で、今まで見てきてキャラに愛着沸いているならば楽しい。
個々の事件をドタバタ追う中で、少しずつ縦軸の陰謀や秘密が明かされてくる構成が上手い。
一見ふざけたコメディーと思いきや実は伏線になっているなど、全体通しての脚本が上手い。
個々の話でバディや仲間との関係掘り下げつつ、終盤山場の事件で良きチームになっていく流れも綺麗。
キリルの成長、ダグのバックボーンを少しずつ知り、最初は助けられていたダグを終盤は逆にキリルが助ける。
最後まで見ればタイトルに偽りなし。
終盤の敵自体はベタだが、バディ物の要点をちゃんと押さえていて盛り上がりは十分。
総じて中盤以降尻上がりに面白さが増していって綺麗に着地した。
主人公のキリルはおバカだが純真で裏表の無い溌溂さあり、彼が暴走してピンチになっても相棒ダグや仲間たちがドタバタやってテンポ良く解決する話多い。
ダグや仲間たちも各々癖が強く抜けている点も多いためか、キリルだけ無能という感じではなく、互いに欠けているモノを補う良きチーム感が出ている。
女性多くて華がある。4話以降のダグ&キリル以外のキャラにスポット当たる回が軒並み面白い。
担当回以降もチームの一員としてちゃんと存在感示せている。
ロボット婦警ユリが死亡か!?な回は、ユリの見せ場少な目だった割には感情移入できてたり。
作画はカラフルでオシャレな感じ、洋画パロディーをアニメ化するに相応しい雰囲気。
【悪い点】
序盤がイマイチ。
キリルの能天気な無能ぷりにややイライラさせられる(回が進めば魅力増してくるが)。
薬物怪物絡みのキツめのシリアスを茶化す感じのコメディーが滑っているように感じる。
この点はまだ本作のノリに不慣れな為もあり、4話以降は尻上がりに面白くなるが。
なので初見時は好みに合わず3話までで切ろうかと思った。
個々の事件のテンポは良いが、浅くて物足りない。
安定して中~高空飛行だが最高高度には達しない感じ。
ダグの姉?の件とかテンポは良いが、もう少し掘り下げてほしかった。
敵がありがちなイカレ野郎なのもイマイチ。
ダグかキリルが単騎突入してピンチが何度かあり、展開がややワンパターン。
魅力的キャラは多いが、全員しっかり掘り下げるには尺不足。
担当回が各組1話だけ、以降サブに回ってもいい仕事しているとはいえ、十分とは言えず。
1クールの完成度は高い反面、余裕が無かった。
コメディーも凄く面白い程でもない。
ここは正直やや好みに合わず。
【総合評価】6~7点
ややスロースターターだが硬軟バランスの良い優等生。
どちらかというとタイバニよりは好みだけど、タイバニ程の突き抜けた魅力は届かなかった。
こちらも2クールあれば匹敵した可能性感じる。
評価はとても良いには足りない「良い」