退会済のユーザー さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
世界で二人だけの遠足
超兵器による大戦後、人も街も高度文明も全てが崩壊した階層都市で
少女二人が当然のように半装軌車に乗って旅する話。
ゆるい。終末でもずっとゆるい。が、それだけで12話見れてしまう作品。
この二人、幼さゆえの好奇心に富む一方で年齢水準に反して
達観しており、荒廃した世界への抵抗や絶望がほぼ皆無。
本来ならば向かう先が終わりしかない世界でも、
彼女たちにとってはあくまで過去の遺物に過ぎずむしろ
隅々まで未知のもので溢れてる街に興味津々なくらい。
アポカリプスの陰鬱さ漂う残骸は屋根であり寝床であり
レーション食べる時に腰掛けやすい何かであり、
足を止める雨はそこでしか聴けない楽器であり、
弾丸を食べるよく分からないウニョウニョしたやつは
一緒にいると結構楽しいウニョウニョであり、
誰もいない街は二人だけのアドベンチャーステージである。
終末世界系の闇深さを日常系のゆるさが絶妙に中和しており、
芸術的なBGMとふんわりした作画による効果も上乗せされて
両特性を適度な塩梅で楽しむことができる良作だと思う。
各回でちょこちょこ哲学じみた内容も含まれるが、これが
安っぽくも高尚すぎもしないところが見ていて心地よかった。
4話:寺院に訪れる回
6話:イシイと飛行機を飛ばす回
9話:ロボットと進化を語る回
が特に印象深い。
幼いからこそ、見た景色・経験した出来事に純粋な感想を抱き、
固定観念に毒されていない単純で自然な価値観が見えてくる。
何が正しいか、じゃなくて、これってどうなんだろうね〜(ユーリ)
ぐらいのノリで提起された方がかえって心に残るのかもしれない。
まあユーリと同じで脳内食べることでいっぱいの自分は結局
レーション大量生産する話が一番好きなのだが笑
原作全6巻中4巻までの映像化ということで、2期がくることはなさそう?
階層構造という性質上、最上階で旅が終わるとは思うが、
予想外の展開で終わるのかゆるく終わるのかだけ気になる。
もしやエリンギが最上階でラスボスとして待ってる……のか?(チガウ)