くろゆき* さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
仕事に責任を持つために金を受け取るんだ
アニメ制作に携わる、「監督」「アニメーター」「プロデューサー」もっと言うと「音響」それぞれの動機、拘りポイントが良く表現されていて感心した。
まぁ「監督」には色々なタイプが居ると思うが、本作の浅草氏が「世界を描きたい」という動機を主軸にリアリティを積み上げていく過程が興味深かった(世界観が先でストーリーは妄想派生という組み立て方も)。
視聴していて「そうそう、「設定世界における」リアリティの追求とセルフツッコミ、虚構とのバランス取りできてない監督と作品は駄目だよね」と思わされた。
最近の若手監督はリアリティ無視が多すぎる。
また、デジタルに頼っても妥協し難いアニメーターの動への拘り、「アニメーション」の魅力、我の強い制作陣と各種マネージメントをまとめるプロデューサーの苦労、地道な活動で蓄えられた膨大なストックから選りすぐられる音響の縁の下の力持ち的活動。
JK自主制作と言いつつ、本格的かつ骨太なアニメ制作の物語で非常に楽しめた。
勿論、物語アニメとしての「ウソ」は山ほどあるが、そこをアニメの力で魅せ、捻じ伏せる力のある。
作品で、今時こんなアニメが作られたのは驚嘆すべきことだ。
作中アニメの動画作画彩色カロリーが高い。
自主製作作品その物もしっかり見せるよう作ってあり、「アニメーション」の質が非常に高い。
唯一の懸念点としてはアニメーションのコアな部分を穿つ内容が魅力という、ややマニアックな作品なので響かない視聴者も居るかもしれない。