ＱＷＥＲＴＹ さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：今観てる

命だいじに

出だし三話で、ガッチリ心を掴まれましたねー。やばいです。

人物紹介だけのイベントかと思っていた冒頭の事件が一切の無駄なく展開していくあたりに、今後のお話を期待してしまいます。

ダブル主人公の片割れ、ちさとはもの凄いセリフ量で、画面外でしゃべっている部分も膨大なのですが、声優さんのお芝居が完璧。
ふわふわと普通すぎるくらいの女の子が、その口調のままにミッションをこなすあたりが最高に格好良い！
この演出が成立するためには、ちさとのキャラを視聴者に覚えて貰って、そこからの僅かな「差分」で語らせる必要があるのですが、難しい役どころを素晴らしい完成度でやりきっています。

そして、言葉ではなく絵で見せる部分では過剰品質とも言えるほどの圧倒的な作画が全カットで炸裂。これは凄い。一話で燃え尽きても不思議ではないペースで高カロリーな動画が放出され、三話まで視聴した時点では全く品質が衰えていません。このまま走りきって欲しい！

たきなとのコンビが決定的になるアクションシーンは見応え十分でした。
彼女が本部に復帰することを全面的に支援するちさとは、押しつけではない別の解決策を提示してたきなに選ばせる訳です。言葉が胸に染みます。
お互いの技量を信じていないと不可能な連携を、目配せだけで実現させる二人の活躍をずっと見ていたい。

引き立て役の負け側も単純な愚か者ではなく実力者。
ちさとの意図も状況も分かっているのにやられる悔しさ。
勝利の価値を上げる、なかなかのグッドルーザーです。


刑事のコンビもののエッセンスも香る本作が、どこまで上昇していくのか。
かなり高いところまで行くことは確定で、さらなる上積みを期待させる滑り出しでした。

真顔で銃弾を避けるちさとの姿は彼女の信条もあってゾクゾクしてしまいます。殺しのライセンスを持つリコリスが何で危ない橋を渡っているのか。
ゾクゾクしながら見守りたいと思います。