鹿羽 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
【最高傑作ラブコメ】汚れを知っても、染まらない(随時更新)
私のバイブルです。たぶん、自分の中では、これ以上の作品にはもう出会えないと思っています。何周したかなんて、もうわかりません。未だに月1で見返してます。
最初は、理解ができず何周もアニメを見返しました。ストーリーがいくら面白くても、何回か見ると展開がわかるので見るのがしんどくなります。しかし、この作品だけは、苦を全く感じません。それは、キャラクター一人一人の魅力が桁違いだからです。他のアニメのように、ヒロインが急に主人公に対して、惚れてベタベタしたりとかそういったことが一切なく人間の不器用さとどこまでも真っ直ぐで優しさに溢れ、不器用に一生懸命もがき続け、少しずつ少しずつ変化していっているからです。
アニメとは、想像であり、理想です。
普段、アニメで「いいな」と思うものも、現実にはない理想、妄想だと割り切れるので、そこまで心に残ることはありません。
しかし、このアニメは理想だとわかっていても、割り切れません。心が動かされてしまうからです。それは、理想に至るまでの過程を、奉仕部メンバーの葛藤している心理描写を、考えられた秀逸なセリフで視聴者に魅せ、人間の誰しもが持っている「本当の自分を知って、好きになってもらいたい(本物が欲しい)」という気持ちに火をつけるからです。そして、そんな人間関係を得られたならと視聴者を心底うらやましくするからです。
奉仕部の三人は、高校生になるまでの過程で人間トラブルに素直であったいつかの自分を隠して偽りをつくようになっています。雪ノ下雪乃は誰にも頼れなかった救ってくれなかった、自分が何をしたくて、どうしたらいいかわからなかった。だから、誰にも頼らず孤高であろうと全部自分1人でやれるようになろうとしていた。由比ヶ浜由依は、本心を隠し、一人ひとりに合わせていくことでうまくやれている反面そのこと自体にコンプレックスを抱え、自分の本心を貫く雪ノ下雪乃に憧れた。他の登場人物も皆それぞれ、16.7年で本心に蓋をするようになった。比企谷八幡は、本心に蓋をするもの全てを嫌った。そして、否定という蓋を持って表面上のものを否定していた。しかし、修学旅行の件でその蓋が偽りであることが露呈する。そして、守りたかったもの追い求めていたものが何かに気づく。8話の本物が欲しいと口にする前、今までの依頼を回想し、その中で常に一緒にいた奉仕部2人の存在に対して、知らず知らずのうちに心の底に押し込めていた感情を、手に入らないであろうものを求めた。こんな三人だから、見ていて引き込まれる。
この作品が他の作品と一線を画している点は、理想というものへの感情の傾き(没入感)だと思います。
五年間、私の中で色褪せなかった理由は上記だと考えています。私の力では、これくらいしか言語化できません。自分語にお付き合いいただきありがとうございます。