剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャバクラナザリックからの脱却
[文量→大盛り・内容→雑談系]
【総括】
説明不要の人気シリーズの4期。かなりストーリーが動いた印象。残酷な描写も多い。
個人的には、4期≧3期≧1期>2期ですかね。
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
付き合いで何度かキャバクラに行ったけど、どうにも苦手だった。
1つは、私の性格。どちらかといえは相手を喜ばせたい性格なので、サービス受けてるはずなのに、キャバ嬢を楽しませようとサービストークをしてしまい、疲れる(苦笑)
もう1つは、絶対的に優位な状態。こっちは客だし、向こうはプロだし、自分の話がどんなにつまんなくても笑ってくれるし、ノッてくれる。
それがとてもつまらなかった。
やっぱり、彼女だったり友達だったりの、忖度のない応対の方が、気持ちが良い。つまんないならつまんないとハッキリ言われるから、笑いを取れた時はちゃんと嬉しい。
この辺、アインズも似たような感覚なのではないだろうか。
彼は本来「絶対君主」だが、NPCにも敬意を払い、気に入られようとしている。そして、彼が求めているのは盲目的な絶対服従ではなく、自分で考え、決断できる、あくまで「仲間」という対等な存在だ。
それは、ゲーム世界に1人残された寂しさを埋めるため、というのも1つはあるだろう。
しかし、彼はあくまでプレイヤーであり、これまで何度もコンピューター制御された敵を倒してきた人物である。命令しか守れない、コンピューターの限界を知っている。だから、NPCを「人」にしようとしている。
当然それは、自分以外の敵対プレーヤーが出てきた場合に備えてだ。
それから、各階層守護者は、あくまで「創造主」である、至高の御方々が不在だから、アインズに忠誠を誓っているのであって、アインズ個人の配下ではない。それを、アインズ自身が気にしていて、万が一にも逆転現象が起きないように、自分個人に忠誠を誓わせるような工夫をしているという側面もあると思う。
やはり、この作品は設定が秀逸だ。
以前のレビューでも書いたが、「No.1ギルドの後衛でまとめ役」という立ち位置が絶妙で、これをそんじょそこらの「なろう系」だと、No.1プレイヤーや、ソロ最強、初心者なのにチートなんて極端な立ち位置から物語を始めてしまう。だから、ストーリーが画一的になってしまう。
アインズの立ち位置、そして、配下のNPCにすら勝てないという力の無さが、主人公最強系の爽快さと、とことん戦力増強に動くサクセスストーリーを両立させている。
やっぱり稀有な作品だ。
ちなみに私は、敵国の王子が殺された後、怒って敵の配下を「本人が望むまで決して殺すな」のクダリが好きでした。ナイス、ダークヒーロー♪
{/netabare}