九会 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
夢幻泡影
原作は実写映画化もされている恋愛小説。原作・実写映画共にアダルトな描写があるそうですが、本作はそのような描写はなく、お子さんに見せても問題のないような作品です。
内容は恋愛モノという事あって、ボーイミーツガール。とはいっても主人公達の年齢は高めです。大きな夢を持つ大学生の「恒夫」と足に障害を持ち外の世界を知らないヒロインの「ジョゼ(クミ子)」の交流を描いたもので、2人が仲良くなっていく過程やその出会いによって起きた変化はニヤニヤして見ていました。作画は映画ということもあって高品質で舞台となる大阪の街並みがきちんと描写されていたり、ヒロインのジョゼも可愛らしく描かれていたと思います。またキャラクターに関してはメインキャラの恒夫には好感が持てますし、サブキャラクター達も良い人達ばかりで良かったと思います。
一方で気になった点としてはジョゼが年齢よりもだいぶ幼ない女性であるので、好青年な恒夫と比較するとそれが際立つ部分。これは対比としては上手く出来ていたと思いますが、気になるといえば気になりました。また障がいを扱う作品で福祉関係の人が無能気味に描かれていた描写は明確にマイナスだったと思います。そこはもっと協力・連携などの描写が見たかったです。
総評としては気になる部分はありますが、原作や実写映画には触れていないので、バイアス無しで素直に楽しむことが出来ました。障がいの描写に重きを置いた作品という訳ではないですが、この作品で提起された「夢」というテーマはしっかり描かれていたので満足感のある作品でした。