てとてと さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
脚本はダメだけど、姫と侍少年たちの旅路の楽しさとロマンス感で案外面白かった
18世紀を舞台に亡国のお姫様がサムライたちと共にエデン(約束の地?理想郷?)目指す、海洋冒険活劇。
Crunchyroll配信のオリジナルアニメで全12話。
※作品データベース様より転載
【良い点】
18世紀、西洋風な亡国の王女、戦闘民族サムライたち、海洋冒険ロマンなどなど、いかにも面白そう(海外受けしそう)な舞台設定。
物語も狙われる亡国の姫が侍少年との幼き日の約束と恋…とドラマチック感ある。
高い作画水準と梶浦由記ミュージックでアニメーションの質はかなり高い。
R15+ではないが戦闘描写は容赦なく、スタイリッシュな殺陣の外連味は申し分ない。
ヒロインのフェナちゃん可愛い。
おてんば姫だがちゃんと分は弁えている奥ゆかしさもあるタイプ、足手まといにならないように健気に頑張ったり。
失われた記憶や、エデンに関するカギを握るなど、冒険物の姫ヒロインとしてあざとい属性はあった。
能動的に物語に関われていたかは怪しいが、意志の強いヒロイン。
寡黙で不器用な侍少年ユキマルとのもどかしいラブコメ感が見所だった。
姫ピンチ→颯爽と助ける王道で安心感ある。
過去の記憶にまつわるロマンチック設定も、終盤強引ながらちゃんと回収。ロマンスとしては及第点な盛り上がりはあった。
侍一族もそこそこ個性的で、個別の交流掘り下げが手薄な割には存在感出せていた。
朴念仁なユキマルの恋を茶化したり応援する要員。
一人一人が強いのであまりピンチ感が無く、コミカルな掛け合いで雰囲気は良かった。
【悪い点】
壮大なようでいて終始淡白なまま進行、終盤唐突にSF超展開と、ストーリー面が今一つ。
フェナが侍たちとエデン目指す流れは分かり易いが、単調で盛り上がりに欠いた。
エデンがどういう位置付けなのか曖昧。終盤唐突に世界の選択云々言われてもピンとこない。
侍たちが強くてコミカルなのも、冒険の緊迫感に欠けた面も。
終盤雑な展開でピンチになる以外は危機感が乏しく、結果ユキマルとのロマンスも地味に。
また折角の18世紀海洋冒険も、世界観を広く描けていないのが残念。スケールが狭い。
フェナ一行が淡々と進んでいくだけ、旅や冒険感が無かった。
これらも、フェナとユキマルのロマンス感がそこそこに収まる要因。
エデンを狙う女海賊や海軍将校との交流や抗争も中途半端。
女海賊と将校の因縁とか、将校がフェナ母と悲しき過去エピソードとか、個別では悪くはないが、フェナの主軸ストーリーにはどうでもいい。
重要そうで重要じゃなかったサブキャラを掘り下げても、フェナの物語が盛り上がるわけではない。
将校はラピュタでいうムスカになりかけていたが残念な存在感。
ユキマルも含めて、フェナと主要キャラクターのドラマの繋がりが悪かった。
フェナもキャラとしては魅力が無かったわけではないが、物語の関わり方となると地味。
【総合評価】3~2点
概ね先にレビューされている方々の御指摘通りな内容。
絵や楽曲は素晴らしいが脚本がイマイチなオリジナルアニメ。
とはいえ不快なわけではないし、見所はそこそこあったと見るので、評価は「普通」程度。
1クールだったら、フェナのナイト役はユキマル一人でよかったかも。
女海賊は削除して、森川智之ボイスのムスカ役に悪役一本化してピンチ作ったりとか。
それだとお題の海賊感出せない?うーん…