RFC さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
作ること、それを表現することに特化したアニメ制作アニメ
あにこれでの評価が高いので視聴開始。
【作品概要】
高校1年3人の物語。
アニメに関して一長一短の力を持つ3人は
映像研を立ち上げ、協力してアニメーションの作成にかかります。
【作品に対する感想】
アニメーション作成事態を作品とした有名どころして
SHIROBAKOがありますが、あれとはかなり差別化した作品です。
SHIROBAKOの主人公宮森あおいが制作進行ということで、
アニメーション制作全体からの視点が多く
個々の要素は程々に、要素間を繋ぐ苦悩が描かれていました。
で、映像研の方はアニメの設定、映像化の部分を
かなり突っ込んで描いていて、マネジメントの部分は
少し裏方です。
この辺の「この作品ならではの特化」は
私は肯定的に捉えました。
1)物語
リアリティ凄かったです。
部活でありながら、学校外に出ることのリスクも
きちんと描かれており、その辺もポイント高かったです。
2)作画
正直キャラデザで視聴意欲が減衰してたところが大きく、
「キャラが全然かわいくない」ってのは私的には
マイナス(▲2点)なんですよ。
ただリアリティの側面からすると、どこもかしこも
イケメン&美女なんであり得ないわけで、
そういう意味では
「媚びてない」「そこを売ってるわけではない」
という尖がった意思を感じました。
また浅草と水崎の妄想…というかイマジネーションの世界の
わくわく感、すごかったと思います。(+3.5点)
3)声優
イマジネーションの世界で、浅草が矢継ぎ早に設定を
固めていくシーンが凄く印象深いです。
もはや固有結界といってもいいんではないでしょうか?
妄想中のSEがキャストさんの声だったのが
「私の考えた世界」ということを
主張していて良かったと思います。
5)キャラ
➀浅草みどり
妄想具現化に特化した主人公。
現実と嘘を交えて魅力的な世界を
作り上げる力は半端ないです。
彼女の力だけではアニメーションは成り立ちませんが、
彼女無くして良いアニメーションになりえません。
➁金森さやか
一番えげつないキャラデザで、しかも金や納期など
リアリティの面でピリッと作品を引き締めるキャラでした。
芸術的側面だけを推すクリエイターを纏めて
仕事として成り立たせる彼女は、他の二人と比べて
異色ではあるんですけど、金森無くしては
この作品成り立ちませんでした。
➂水崎ツバメ
アニメーターとして成功したいと思っていますが、
先にモデルとして成功しているため、
自分のやりたいことと、世間から求められていることが
大きくずれている娘。
この娘が凄いのは、世間から求められていることを
受け入れたうえで自分のやりたいことを
やろうとしていること。大人です。
6)印象深いシーン
{netabare}
➀金森 子供の頃のバイトの話
この娘高校生としてはあまりにリアリストで
金への執着が強いです。
ともすれば「金に汚い」ともとられかねない
ピーキーなキャラなんですけど、
この話で見方が変わったんですよね。
「いい物なら売れる」という時代はとっくの昔に
終わっていて見せ方、売り方ひとつで
「どんな素晴らしいものも認知すらされずに消えていく」
ことを知ってるからあのドライな言い草なんですよね。
このエピソード、作中で一番好きでした。
➁広告塔に使われた水崎ツバメ
モノの動きを観察し、トレースして絵で表現することに
特化した彼女。
それを描くことに自分の価値を見出してる彼女ですが、
世間はモデルとしての水崎の価値を評価しています。
映像研のアニメを認知させる広告塔として
利用されることを言われるシーンがありましたが、
意外とあっさりと受け入れているところが
大人だなと思いました。
{/netabare}