風の澪 さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
タイトルなし
2ndシーズンを見るにあたっての大前提ですが
{netabare}
リドルストーリーです
1stシーズンでばらまいた伏線とか2ndシーズンで新たに出てきた謎とか丁寧に説明されることはなく、思想的な面を中心に視聴者に解を委ねています
なのでスッキリしない部分も多々残りますが、そこは無視しないといけない作品になります
{/netabare}
1stシーズンではポストヒューマンとの攻防が見どころでしたが、2ndシーズンではポストヒューマンの立ち位置はかなり微妙になります
それもあってか、ストーリーはテンポ良く進んでいるはずなのに、内容は先に進んでないというイメージを受けました
また、『1984』という作品を理解していないと内容の半分も楽しめない状態でストーリー的には1stシーズンと比べて完成度を低く感じる内容になっています(前述の大前提も影響してますが)
キャラクターに関してもストーリーの影響かストーリーに合わせて動いている印象を都度都度感じます(これもラストの部分につながっているのかもしれないですが…)
トータルで言うと今ひとつという印象は拭えまえん
1stシーズンからの結末を確認したい人は見る価値はありますが、まずは『1984』という作品を調べる、読んでみるから観ることを勧めます
ネタバレ含めた感想で言うと
{netabare}
いきなり1話目でポストヒューマンはウィルスプログラム(この場合はAI)による突然変異した人間ということが明かされます
しかもそれが米帝によって作られたものと言うことも分かります
もう少し深い理由を期待していた身としては拍子抜けしました
問題はここから
プリンがポストヒューマンだと明かされますが、9課メンバー今までのポストヒューマンとは違う気がするというだけで何がどう違ったのかは語られません
しかもプリンは亡くなってしまいます
この亡くなり方も自業自得の部分が多く、全く腑に落ちません(プリンの死に至る行動の理由は付けられますが、こじつけに近い感じになってしまいます)
さらにトグサくんが復活しますが、タカシくんの能力でというのはまだ良いけど、実際の過去か虚構の過去か暈しており、正直このあたりからはストーリー重視でキャラの行動が腑に落ちない流れになります
このシーンも生きていることの素晴らしさにリンクする部分はわかりますが、では、トグサくんが観たものは何だったのか
このあとも突然出てきたカナミがなんの象徴なのか
結局プリンの特異性は何だったのか
タカシくんの特異性は何だったのか
最終2話の各キャラに起きた出来事は何だったのか
その他多くの疑問点が繰り返して見れば見るほど出てきます
ただ、それはリドルストーリーだから仕方がないことだったりします
要は今回の攻殻機動隊はエンターテイメント性よりも主張したいことや思想などを考察してもらうことに重きをおいた構成(エヴァとかもそう)になっています
ただ全24話でやるには風呂敷を広げ、伏線を張りすぎました。
24話なら24話に収まる形で作るという点において私の中ではストーリーに対する評価は下がっています
今回のテーマで行くなら余計なポストヒューマンなど出さずにタカシくんを9課の相手として絞った24話構成にした方がスッキリとした構成になったようでしょうし、ラスト2話の現実と虚構の見せ方も詰込んだかのような形ではなく表現できたのではと感じます
{/netabare}
2ndシーズンのみで見ると視聴者を選ぶ作品ではあると思います