Puny さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
優しさで、認められる話かと思っていたら
Huluで視聴、原作は未読
【良い点】
・主要キャラが、人間らしい欠点を持っていながら
良い面が分かり易く描かれ、ハッピーエンドで終わるところ
・絵本のような絵柄で、重い話、難しい選択というギャップ
【いまいちな点】
・先が読めない意外な展開は、素晴らしく話に引き込まれるが
ピンチから、ハッピーエンドに持って行くために
多少、強引に感じる箇所があり、共感が難しい点
{netabare}
【ネタバレ】
手塚治虫先生の「どろろ」の百鬼丸を思い出した。
ボッジが、父も母も巨人族なのに、人間並みに小さいのも
短剣も使えないほど非力なのも、耳も聞こえず、話せないのも
父が、魔人と契約したためであり、やっていることは、
百鬼丸の父親、醍醐景光と同じである。
一連の騒動は、ミランジョが、死んだ父を蘇らせ
一緒に暮らしたいがためで、ボッジの実母は、
ミランジョの策で、殺害されている。
国王としては優秀で、豊かで平和な王国が続いたので
善人扱いなのが、モヤモヤする。
巨人族の女性は1人しか子供を産めない
自分が復活するためには、もう1人、子供を作る必要がある
再婚するために、妻を殺害し、後妻を娶り、次男を作り
ミランジョの魂が宿った鏡を、幼い次男に与え、洗脳する
強くなるためと嘘をつき、次男の体に父の魂を移すことに成功する
この計画を、父が知らなかったとは考えられないし
次男の体で蘇った父も、罪悪感があるようには見えません
ミランジョと2人で暮らすのを邪魔する者は全滅させると牙を剥きます
最後は、偉大な父のように、自分も、一から国王を作るんだ!
と、ボッジが旅立つという、持ち上げぶり・・・
腕力で、平和を維持し、豊かな国を作れば、全て帳消し?
ちょっと納得できません
まあ、父が赦されるのも、全滅しかかった人達の命を助けたから
なのだが、それも、なぜ、そんなことをしたのかが、意味不明。
その直後には、敵対して殺しにかかりますから。
でも、これが目くらましになり、視聴後感をよくしているのは
間違いないので、ストーリーテラーが上手ということだと思います。
ミランジョさんも、可哀想な過去はあるものの 鬼畜の所業。
全員から赦され、何もなかったかのように、次男と結婚して
幸せそうな顔をされると、父の存在より、自分の幸せの方が大事?
それで良いのか?と。
特に、殺された、ボッジの母までが笑顔で赦すのは、ありえないし
ボッジも、簡単に受け入れ過ぎな感じで、赦すことの大切さを
説いていると解釈するのは、いかがなものか・・・
現実には、ミランジョや、ミランジョの母が体験したような
悪い人間が多いので、あまりかけ離れてしまうのも、
悪いことをした人間が、幸せになり過ぎるのも、
少し、心地が悪いと思ってしまいますが、
主人公を含め、皆、前向きになれて、幸せに生きて行こうとする
エンディングだったので、自分が煩く思う必要もないかなあと。
ミランジョさんには、まだ、同情できるのですが
父には、一片の同情も持てない。というのが感想です。
あと、耳も聞こえない、言葉も話せない、短剣すら非力で持てない
主人公のボッジ君が、どのような「努力」で
周りの人から認められていくのだろうと思っていたので
デスパー氏にちょっと教わっただけで、努力の描写もなく
超人的な技を体得し、結局は、その力がメインで認められたので
優しさじゃないんだ。そこは、力なんだ。と、がっかりしたけど、
それが現実だから、仕方ないのかもしれない。
{/netabare}