薄雪草 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
本気モード、押し上げよう。
と、意訳しました。
事実は虚言と扱われ、醜態は美談に置き換わる。
嘘だと思いたいことが、マジモンとして身に降りかかってくる。
自分らしくありたいと願っていても、理不尽な圧力で意思を曲げられる。
今の世の "あるある" です。
たぶん、お話の端緒も、そのあたりにあるのかもしれません。
~ ~ ~
女子高生のファッションは、リコリスたちが、世を忍び、身を隠すためのカムフラージュ・・・。
いいえ、お話としては、それはあくまで形式的な見せかけ。
むしろ、現実的なテーマを、どストライクに描いているように感じます。
本来、女子高生たちは、青春を謳歌し、夢を人生に描いていくリコリスそのものと言えます。
ならばどうして、殺されたり、虐められたりするニュースが巷にあふれているのでしょう・・・。
これらの構図から察するに、女性から社会へのカウンターアタック、あるいはバックラッシュに近しいニュアンスが、テーマにあるような気がします。
~ ~ ~
千束がゴム弾を使っているのは、彼女なりの "鉄拳の代わり" なのかも。
敵を敵としない行動にも、きっと何かしらの意味があるのでしょう。
のちのち、彼女の心情や背景が、明かされていくのでしょうね。
リコリスは、"金色の髪を持つニンフ" を遠くに持つことば。
どうやら、千束のキャラのオリジンのようです。
となれば・・・、原典をギリシア神話に求めてもよさそうですが・・・。
今のところ、視聴は継続。
楽しみにしたい作品です。
おまけ。
{netabare}
いや、いや。すごい作品が出てきました。
1話を観たあとの印象と予想レヴューの、ぜんぜん斜め上からの展開に、ガッツンと脳天をやられてしまいました。
これは続編を出してもらって、あといくらかでも全体像を見せてくれないと、視聴する側がぜんぜん置いてけぼりの放置プレイ状態で、悶々とするだけになってしまうんじゃないかと心配になります。
そんな謎を謎のままにしておいては、残念過ぎるほどに、上質で、魅力的で、そしてとんがったお話だと私は思うんですが・・・。
ただですね。最終話のリコリコの面々の晴れ晴れとした表情を見ていると、そのままそっとしておいてあげたい気持ちにもなるのも、私の本音でもあります。
ああ~、ほんと、悩ましい!!
えっとですね。
まず、OP「ALIVE」とED「花の塔」。
画も曲も歌詞も、それはそれは上出来です。
毎回、絶妙に上げてくれてたし、神妙にさげてくる演出。
匙加減からしてどうしてすごくいい味を出しています。
とりわけても、あの「お尻キックタッチ」。
♪存在の証明♪に紐づけたなら、それはもう目からウロコの喜びです。
千束からたきなに、たきなから千束にの "あの演出" 。
どれほど語るに語れぬほどの出逢いの嬉しさを、そしてお互いの存在をリスペクトしあっているかが、じんじんと伝わってきます。
OPとEDを、私はどれだけ聴いたでしょう。
各話のストーリーに、どれほど落とし込んだことでしょう。
千束とたきなが交わしあう想いの深さに、どんなに重ねてきたことでしょう。
派手なガンアクションも、いくらかの百合っぽさも、DAと喫茶リコリコのギスギスした関係も、敵対しあう組織の抗争劇も、天賦の才能と必死の努力の交錯も、すべてが "千束の想いのなかにある構図" です。
つまり、千束はきわめて強靭なリアリストであり、同時に、緻密に計算するファンタジスタだってこと。
たきなの変化も、ミカの行為も、吉松の覚悟も、真島との語らいも、すべてが千束の才能の感化を受けてのこと。
だから、千束はハワイに行ったんでしょう?
だからこそ、シナリオに、ど太い筋が一本貫かれるってものです。
ここは、絶対チェックです。
いいえ、見落とし厳禁だと、私は思っていますよ。
ぜひ、最終話に、本気モードでアンテナを押し上げてください。
そんなわけで、私にはオール満点のカンペキな作品。
今期イチオシです。
{/netabare}