タック二階堂 さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
なろう系なのに、普通…だと?
詳細は公式でも。
「小説家になろう」発の異世界転生モノです。
まあ、ベタに異世界転生して少年を乗っ取り、からの最強クラスの魔力を持つ主人公という、もう飽き飽きしている展開ではあります。
ですが、実在する医薬品と疾患を題材としているということで、執筆にあたっては専門家や医療従事者の指導を仰いでいるというのが珍しいですね。
いや、そんなの作家なら当たり前のことなんですが、いかんせん「なろう」では専門的な知識が必要なことは書かないというのが不文律となっているので、主人公が何らかの病気で落命して異世界へと旅立つというのも、心臓に何らかの疾患があるといったボカしかたをしたりします。
下手に心筋梗塞とか書いちゃうと、ツッコまれたときに困りますもんねw
その点では、専門家指導のもとで書かれた作品というのは、一般的には普通のことでも「なろう」では異例中の異例なんですね。
なので、1話時点では「普通」。でも、「なろう」なら良作といった立ち上がりじゃないかと思います。ま、今後、無自覚系の俺TUEEEEE物語になっていくことが予想されるので、うんざりしたらおさらばしますが。
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
んーっと…
根本的な設定のおかしさが気になります。
主人公が前世で妹を病気で亡くしましたよと。で、助けられなかったと心に病んで、薬学博士を目指すと。
え? 普通は医者を目指さない?
なんか、いいエピソード風に描いているのかもしれませんが、大前提としておかしい気がして、その回想が挟まれるたびに「なんで医者を目指さなかったの?」と思ってしまいます。
たとえば、逆に妹が薬のお陰でメキメキと元気を取り戻した。薬学ってすごいんだ。で、薬学博士を目指すなら腑に落ちるんですよ。別に、そっちにしたってストーリーに大きな影響はないでしょ。どうせ異世界転生するんだから。
それと、異世界転生・転移モノ全般に言えることですが、転生前はおっさんだったんですよね。なんで、すっかり子どもの精神になっちゃってるんですかね。これは、あの名作「本好きの下剋上」でも逃れられなかった唯一の失策です。
そして、この作品で最大の問題点。主人公は「神レベル」の魔力量を誇る魔法使いということ。
いや、あのさ。それじゃ、薬学知識とか要らなくね?
いちおう、ジャンルとしては異世界転生して前世の知識を生かして活躍する「知識チート」ものですよね。そんな前世の薬学知識を凌駕する魔法の実力を付けちゃったら、全部それで解決できちゃうじゃないですか。
なんかね、いろいろと惜しい感じがするんですよね。もっと面白くできるんじゃないかなって。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
なんだろう…
最後まで通して観た印象としては、監督・脚本家が途中で飽きちゃったのかなという感じ。
中盤までは丁寧に作っていた感じで、なろうなのに面白い…だと?ってな感想だったのですが、だんだん雑になっていったように見えました。
おそらく「知識チート」といったジャンルではあると思うのですが、後半になるにつれ、単なる俺TUEEEEになってしまいました。いや、魔法で解決できるなら、前世の薬学の知識なんて要りませんよね?
専門外なのでわかりませんよ? わかりませんけど、モモンガ数匹を街にはなっただけで、そんなにすぐに疫病のペストが拡散されるんですか?
父上の元同僚は、あれは悪霊になったんですよね。主人公のアンパーンチで、バイバイキーンってなるものなのでしょうか?
ホント、中盤までは「なろう」特有の臭みを極力抑え、ツッコミどころを丁寧に潰そうという努力が感じられたんですが、中盤以降は面倒くさくなったのか、飽きたのか、雑な素材を雑なままで出しちゃったっていう出来栄えに感じました。
惜しいですね。あとちょっと頑張れば、普通に観れる作品になったんじゃないかなあと思うのに、惜しいですね。
{/netabare}