ぴよこすき さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
デ・ジ・キャラットブランドである必要はあったのか
まず、話自体はよくある「街での運命の出会いから始まる恋愛もの」です。全2話構成と短いため仕方ないですが、あまり物語のプロットとしては特筆するところはありません。しかし、季節感の表現はとても良かったと思います。
次にキャラクターですが、これが一番の疑問点です。本作品はデ・ジ・キャラットシリーズと銘打っているにもかかわらず、その実態は全く関係ないと言ってもいいほどです。共通点はでじことぷちこの名前と髪色くらいでキャラクターデザインにはほぼ面影が見受けられず、出身設定なども完全に変更されています。何より、キャラクターそのものを形作る性格設定が原作系列とかけ離れています。でじこに至っては完全に別人です。マジで。ぷちこはまあ成長したらこんな感じにならなくもないかなといった感じですが。でじことぷちこと言うよりは真田アサミと沢城みゆきという感じでした。ただ、別にキャラクターとして悪いかと言うとそうでもなく、デ・ジ・キャラットだということを考えなければこの二人はとてもいいコンビでした。
声優については、でじこ・ぷちこは言うまでもなくとてもうまかったです。ただ、主要キャラクターの中で愛子役のささきのぞみさんの演技は少し気になりました。まあデビューして間もない頃だったようなので仕方ないですが。
音楽はOP、挿入歌、ED共に素晴らしかったです。特にEDはとても気に入ってます。というかこれ聞いてから見ようと思いました。
総括すると、アニメ自体の出来は悪くはないです。特にでじことぷちこのやり取りや距離感は仲のいい姉妹感があって見ていて楽しかったです。ただ、このアニメを作るにあたってデ・ジ・キャラットブランドを使う必要があったのかと言うことについてはととても疑問です。これについて少し考えてみると、当時、ブロッコリーはそれまでのブロッコリーを支えたコンテンツを続々と切り捨てていました。ギャラクシーエンジェルは人気を博したムーンエンジェル隊を切り捨て、アニメ・ゲーム共に新シリーズを展開。デ・ジ・キャラットについても、このウィンターガーデンを最後に翌年から2代目と称しDUP全員の声優を交代しました。これは、数年前からの業績悪化に対するテコ入れや、それに際した社長の交代による影響であると考えられます。しかし、これらは裏目に出てしまい、特に業績は好転せず無駄に過去のキャラ資産を食いつぶす結果となりました。このウィンターガーデンのキャラ設定に見受けられる大胆な変更は、そうしたブロッコリーの本格的な迷走の始まりだったのではないかと思います。