いるかん さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
俺様は未視聴の方に勧めたい
私はこの作品で言うなら、ラーメン四天王がかろうじて近しいくらいの人物であり、なんなら、ラブコメとか恋愛ものは映画でも小説でも漫画でもましてやアニメでも、彼女がいる時期でも見ないくらいお断りな方である。
だが、このシリーズだけはとても面白い。
酷評をするアニメが多く「何のために見てるんだろう」とすら思える時に「こういう面白い作品に出会うためだ」と再認識できる、とてもありがたい作品である。
概ねは他の好評レビューと同じであるだろうから、私は音楽のクオリティーとエンディングについても手を抜かないとこのみ、書くこととする。
(以降、ネタバレはありませんが、パクリとオマージュの違いにうるさい人は以降は読まないことを推奨します。
ついでに言うと、この作品はナレーションの影響力も強いため、そんな口調で書いていますw)
シーズンに数回ある、オマージュ系BGMのクオリティーの高さが素晴らしい。
インパクトの強いシーンでのBGMに、80年代後半から90年代にかけての洋楽オマージュが多く、音楽担当の方の年齢を考えてももう少し上の世代だろう…とか細かい話よりも、リアルタイム世代にはまさに「ぶっささる!」のである。
それこそ、同じ時代に親がそこそこ洋楽を聞いていた、という人たちには、シリーズを通してぜひ親に視聴させてほしい。
今期の例で言うと、11話冒頭の壁新聞の中に吸い込まれる妄想で、A-HAの「Take on me」もどきを使うシーンはアニメの演出とあいまって「知らない人もYoutubeとかでいいからTake on meのMV見て」と言いたくなる。
全シリーズのテーマソングを鈴木雅之で貫いているところとあわせて、視聴年代を広げることに意欲的ととらえられる音楽性も、この作品の魅力であると考える。
また、今期のエンディングは、映画「スターシップトゥルーパーズ」のオマージュをあの短い時間によく詰め込んだなという完成度である。
原作小説ではなく、映画のオマージュであるところも、ポイントが高い。
そして、音楽、エンディングとくればそう、5話である。
ラップをメインに描く作品は見ないが、一般的なアニメ作品のラップシーンは、残念なものが多くすっ飛ばしてきた私だった。
だが、白銀のラップへのリスペクトぶりと、ストーリー上の必然性から仕方なく視聴したら、これが実に素晴らしい仕上がり。
フリースタイルバトル風にしたことで、各キャラの個性を活かした曲調で繰り広げられるラップシーンの完成度は、とても高い。
そこで満足した後に来るのが、この回だけでしか見られないエンディング。
曲もアニメも一話限りなのに手を抜かず、いずれも高クオリティーで、校長も思わずトレビアンと言ってしまうほどであったとかなかったとか。
ここで書いた私のレビュー群の中では「人が変わったか?」と思われるほどのベタ褒めぶりだが、こういう作品と出会うために、多くを見ているのだなーと実感するよい作品である。
ネットの情報から想定される原作に対して、4期もさほど無理なく作れる終わり方だけに、今後も期待している。