鸐 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
映画館で野外活動!
公式にはウルフウォーカーの製作チームと書かれていますが、トムムーア監督とは全く関係ないです。
本作の監督はアーネストおじさんとセレスティーヌのアニメーションディレクターをされていたという事で、スタジオもどっちかと言えばそっち方面に集中している模様。
2chなどで有名なシーンは出てきませんし、映画の尺に収めるという範囲外でもちょいちょい細かな改変がされているのが見受けられました。
しかし、1993、4年の日本の様子や登山描写は一切抜かりありません。
作中に登場する山容はいささか違和感がありましたが、登攀・登山シーンの作画は臨場感がありました。心象風景も含めてノンフィクションよりノンフィクションらしい映像体験だったと思います。
有名登山家の登場や実在の鬼スラの登攀って現実にあり得るのに、現実味が無さすぎてファンタジーにしか思えないので、バランス取れてるんじゃ無いですかね(?)
谷口ジロー感はとても薄かったですが、トレーラーを見た時は皆無の様に思えていたので、キャラの顔に雰囲気出ていたのはプラスに感じました。
はじめに書いた有名なシーンもですがあえて期待している重要な部分を描かない(遠回りして言いたいことを間接的に伝える)のが、なんかフランスアニメっぽくて微笑ましいです。
吹き替え版を見たので声優は堀内賢雄さんと大塚明夫さん。同時期公開のゆるキャンに対して、決してゆるくないやりとりが繰り広げられています。
何故山に登るのか?――そこに山があるから。
ジョージマロリーの有名な言葉が今でも語り継がれているのは、登山する人から強い共感を得たからなんじゃないかと常々思うんですよね。
雑魚の私ですら山に登りたくなる理由はうまく言葉にできないですし。