いこ〜る さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
チャレンジャブルな良作!
いわゆる一人原画回が1クール12話中なんと4話!
正確には『作画』とクレジットされているのだが(なぜ『原画』表記じゃないのかは不明)とにかく一人原画なのだ。もうそれだけできちんと作られてるのが想像できるというもので、実際その通りだ。
だからあとは絵ヅラのスピリチアルっぽさや突然歌い出すミュージカル要素に耐えられるかどうかだろう。私は「面白いんだけど見てるとちょっとゾワゾワする」という生理的に受け付けない感が3話まではあった。けれどその3話が全編歌いまくり動きまくりの『これでもか!』回で、なんというか力技で慣れさせられてしまった(?)。
で、慣れるとしっかり誠実に作っている事への好感度が相対的に高くなって、ミュージカル要素は気にならなくなった。
さてヒーリングアニメというとまず〈ARIA〉を思い出すが、実に全く似ていない。
そもそも〈ARIA〉で癒されるのは見ている私たちなのに対し、本作は『音声医療』すなわち歌で医療行為を行うことを描いており、見ている私たちが癒しの対象ではないのだ(作風もちょっとワチャワチャしたところがあって、癒されるというより楽しい感じ)。
この『音声医療』がかなりしっかり設定されているのも面白い。
その辺はもっと雰囲気で流すと思っていた(と言うか医療の中できちんと位置付けられているなど想定していなかった)。詳細は避けるが例えば西洋医学と漢方のような相補関係、と言えばいいだろうか。音声医療でできることできないことがきちんと描かれていたのはとても良かった。
声優ユニット『ヒーラーガール』の打ち出しとしてはかなりチャレンジャブル!なように思える。
だって歌が(なんと言うか)壮大なんだもの。
例えばOPなんかが象徴的だが、これを映像なしで聴くのはちょっとしんどいと思うが、じゃあいわゆるアニソンなら良かったのか?と聞かれたら、そんな他と同じことをしてても仕方ないとも思う。
少なくとも今までにない感じで攻めてるのは間違いないので、私は買わないが健闘を祈る!
まとめると、
アニメーションでミュージカルをやる!って冒険を見事に着地させたのが素晴らしいオリジナリティあふれる良作。お話はヒーラーを目指す少女たちの成長譚という王道なので安心して見れる。セリフが歌になる違和感にめげずに見るべし!