てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
P.A.WORKS初のロボットアニメ全26話。P.Aらしい青春劇は良い反面、ロボットアニメとしては物足りず
※作品データベース様に投稿レビューを若干修正
【良い点】
P.A.WORKSらしく、少年少女の交流や成長などの青春劇に力点を置いた作風。
戦国時代から蘇った侍少年・剣之介が現代文明に戸惑いつつもヒロイン・由希奈との交流や宇宙からの侵略者エフィドルグとの戦いなどを通して成長していく。
文化ギャップコメディーとしても楽しい。
圧倒的戦力の侵略者相手の防衛戦や、厳しい国際情勢という状況下でも、日常系の温かみを失わないという意志。
舞台設定が日常の尊さを強調している。
キャラクターが良い。
特に由希奈は普通じゃない状況下でも普通の女の子らしさを見失わない良ヒロイン。
喜怒哀楽感情豊かで可愛かった。
由希奈母を含めて研究所の大人たちも魅力あり。住職や先生が剣之介の人生の師となっていくなど、キャラ関係に深みがある。
SF・ロボットアニメとしてもかなりの出来、飛び道具ではないロボットの殺陣が非常に良かった。
毎話おまけコーナーでSF設定の解説あり、よく作りこまれている事が伝わる。
キャラ作画は流石P.A.WORKS、特に由希奈のキャラデザと豊かな感情表現は抜きん出ていて可愛い。
最終的な決着もやや強引ながら良いラスト。
【悪い点】
ロボットアニメとしては戦闘自体が少なすぎる。
本筋の展開が地味かつ冗長。ロボット戦闘よりも、研究所に侵入されてモブ警備員が殺される展開が続き辟易。
前半から、終盤に突入するまで殆ど話が動かず退屈気味。
由希奈の友人たちも交流や成長はあるものの、地味。特にSNS少年は邪魔だった。
敵幹部も桔梗もといムエッタ以外は印象に残らない。
肝心の由希奈と剣之介の関係も、26話の丁寧な積み重ねこそあれ、ドラマチックな動きには欠けていて地味。
【総合評価】6~7点
非常に良い内容で、SFロボットはフレーバー程度と割り切った少年少女の青春劇としては良かった。
ただ、ロボットアニメとしては退屈過ぎる欠点もあり、悩みどころ。
評価は「良い」
作品の出来は非常に良いんだけど、自分が重視するロボットアニメとしての面白さは微妙だった。
あくまでもロボットアニメの中で青春劇をやってみせてほしかった。
この路線ならば「輪廻のラグランジェ」の方がバランス良かったかも。
【余談】
1998年の高橋良輔監督作品「ガサラキ」からの影響感じる。
和風アーティファクトなロボット、主人公ヒロインが過去の歴史伝奇の因縁、中盤に過去編とプロットに共通項多い。
またラストでヒロインが彼を追うべく研究続けるのは「キスダム」も彷彿。