タック二階堂 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ダークホースに一歩足りなかった…
詳細は公式でも。
冒頭、真っ暗な背景でエンジン音を鳴らしてバイクが走り去っていく。
はい、おなじみのツインエンジン企画アニメのはじまりです。久しぶりよね。ちなみに、この演出はなぜか「ゴールデンカムイ」にはないですね。
なお、制作は子会社のジェノスタジオです。オリジナル作品となりますね。
ツインエンジンは「刻刻」「バビロン」「pet」など、ちょっと一味違う作品を送り出してきますね。もともとノイタミナの編集長だった方が独立して立ち上げた会社のようですね。
で、この「ブッチギレ!」はツインエンジン初のオリジナル作品だそうです。今回に限らず、ツインエンジンはPRが下手なのか、PRしなくても面白ければ観てもらえるとでも思っているのか、始まる前はまったく話題にならないんですよね。
でも、「刻刻」は始まってみれば、意外と面白かったです。「バビロン」「pet」は、ちょっと…いや、かなり微妙な作品でしたが。
まあ、原作がそうだからなのか、そういう原作を選んでこなかったのかもしれないんですが、時流に乗るような作品ではなく、なんか独自路線といった感じを受けます。「どろろ」とかもね。なんで今さらという。カッコよく言えば、安易に流行りに乗らねえぞ、萌オタには媚びねえぞというスタンスなのか。
ところが…
=====初回視聴後、所感です。
{netabare}
時は幕末。新選組の面々が暗殺され、咎人たちを集めて替え玉にするというお話です。
主人公の一番星は、謎の仮面をかぶった武士集団に家族を殺され、その敵を討ちたいと考え、新選組の組長・近藤勇として新たな人生を始める決意をします。
という感じなんですが、もう絵柄を見て、話の流れを見て、みんな思ったんじゃないでしょうか。
「なんか鬼滅の刃みたいだな」
そうです。ここまで、いろんなものに媚びない独自路線を突き進んできたツインエンジン&ジェノスタジオが、オリジナル作品でいきなり王道少年漫画のようなモノを作ってきたんです。
僕は「鬼滅」もそうだけど、なんかノリが「カムイ伝」のようだと感じたりもして。
初回は、それこそキャラ紹介。はい、お前が沖田総司、お前が山南敬介、お前が土方歳三。俺は藤堂平助だ、みたいなね。
で、軽めに謎の仮面の武士とファーストコンタクトという。
王道は支持されるから王道であり、この王道展開は一周回って新鮮なのかもしれないですね。いや、嫌いじゃない。
ツインエンジンが「鬼滅」を狙いに来たといったところ。まあ、まーーーったく流行らないだろうけどw
{/netabare}
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
うん。なんていうか、40年前ぐらいに夕方でやってたアニメっぽい雰囲気があります。なんとも古臭い絵柄。うん、ツインエンジンが企画に絡んだ「どろろ」のような感じですかね。
まあ、幕末に関して、いろいろと勉強した人なら、すいぶんとまあ適当にやってるなあと思わなくもないですが、こういうアニメを通して子供たちが幕末の歴史に興味を持ってくれるならいいんじゃないでしょうか。
だからこその、深夜アニメじゃなく夕方アニメのほうがいいのにね。
ここまでは、すごくお子様向けという感じではあります。佐久間象山がこんななら、来週に出る(であろう)坂本龍馬はどうなっちゃうんだろうなというw
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
ホント、今風の流行りな作風なんてクソ喰らえと言わんばかりの、古臭い昭和臭の漂う「古き良き時代のアニメ」って雰囲気でした。
まさに「リコリコ」の対極に位置する、オタク受けとか一般受けとか、そういうのを考えずに作ったというアニメ。そのため、ハマる人にはハマる意欲的な作品で、今期のダークホースはこれかなと…思っていました。
だけどねぇ…
なんていうか、簡単にいえば「もっとハチャメチャやってほしかった」というのが最終話まで観た感想ですかね。監督も脚本家の方も真面目な人なんだろうね。「ブッチギレ!」というわりには、そんなにブッちぎってなかったんですよね。
終盤のまとめ方とか、非常にオーソドックス。破天荒で主人公らしい主人公のように見える一番星も、けっこう普通なキャラなんですね。もっとメチャクチャやってもよかった。
OPで、西川貴教さんが「ぶっちぎれー!!!!!!」と、ゆよゆっぺサウンドでシャウトするとか、ピー音が入る暴れん坊なヒップホップのEDとか、古臭いエフェクトに派手な色使いの作画とか、いろいろと挑戦的で、ストーリーも新選組が全員亡くなって、その替え玉が新選組の遺志を引き継ぐという荒唐無稽なifの設定とか、すごい意欲的な作品なんだけど…
終わってみれば、案外ふつう…
難しいね。でも、こういうクリエイティブな姿勢は評価したいとは思います。ばっちりマーケティングして、狙い通りにオタクを釣り上げた「リコリコ」より、はるかに面白かったです。
それだけに、もう一歩、大暴れしてくれればダークホースとなり得たのですが、ちょーっち足りませんでした。
{/netabare}