タック二階堂 さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
ヤ○ザである必要性?
詳細は公式でも。
つきや氏によるマイクロマガジン『コミックELMO』連載中のコミックのアニメ化作品です。制作はfeel.とGAINAのコラボです。
「桜樹組の悪魔」と呼ばれる若頭の霧島が、組長である桜樹の娘・八重花(7歳)の世話係を命じられるところから始まるハートフルコメディのようです。
はい。今期の「であいもん」枠ですね。
そんで…
=====初回視聴後、所感です。
{netabare}
まあ、初回ということで登場キャラの顔見せ要素が強いという印象でした。
人見知りで霧島と打ち解けない八重花。ある日、授業参観のプリントを隠します。父親は人前に出られるような人物ではなく、母親はどうやら長期入院(植物状態?)中、叔母も仕事で行くことができずに塞ぎ込んでいます。
そこで、世話係の霧島が行くことに。誰も来てくれないと悲しい思いをしていた八重花でしたが、ちょっと嬉しかったようで。描いた桜の木の絵を父親に渡し、めでたしめでたし。翌日の学校への送りは、これまでよりもちょっとだけ霧島との距離が近くなったね。
だが、そんな桜樹組の悪魔に迫る神谷浩史が…
といった第1話でした。
うん。極めてウィークポイントが少ない、ある意味では無難な立ち上がりだったと思います。こういったヤーさん役は細谷佳正さんに合っていますね。作画もfeel.の秀逸なキャラデザが光っていました。
ただ、いくつかの「なぜそれを選んだ?」があります。
作品の根幹を否定するようで心苦しいのですが、これヤクザである必要あります? たとえば父親が大御所俳優で世話係に若手マネージャーという設定でもいいし、「ばらかもん」じゃないけど大物書道家と弟子でも良かったじゃないですか。なんで極道を選んだかなぁ…。やっぱり、ヤクザは怖いけど、ホントは心優しいんだよという描き方に抵抗はありますね。
それとOPED。なぜYouTuberとVtuber? なんか、うん。すごく微妙でした。せめてメインヒロインのCV・和多田美咲さんに歌ってもらうとか。まったく起用の意図が見えない…
とまあ、手放しで褒められるという感じではないけど、作風的に悪しざまにダメ出ししづらい雰囲気もあるといった感じでしょうか。
{/netabare}
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
やっぱ、どうしても前期「であいもん」とテーマ性とか設定がかぶるもんだから、比較するなというほうが無理です。で、そう考えてしまうと、いろいろと気になる部分が多いのも事実。
まず、八重花がデレるのが早すぎやしないかい?
2話にして、早くも霧島にデレデレですもん。一緒に花火に行きたがったり。「であいもん」は、花火に行くのも渋々でしたよ、本音は嬉しかったにしても。しかも、けっこう後半でした。
「霧島はなんでそんなにやさしいの」と言いますけど、なんていうのかなぁ。私にだけやさしいというのは、それではどうなんだ? 射的でイカサマをするテキ屋のオヤジに「てめえ、ウチのシマで舐めたマネすると撃ち56すぞ」と凄んだり、自分たちの名前を語って狼藉を働く他の組の若造をシメたりといった、まあTHEヤクザなんですわ。
それを、なんかやさしいヒーローみたいに描くのは、ちょっとねえ…
八重花が幼い頃に、ぜんぜん起きてくれない病室の母親を嫌いになった(けど好き)。だから何年もお見舞いに行ってません。ある意味ではトラウマ的な悩みを、霧島の軽い説得で「うん、行く」。早っ! もっと、いろいろあってからの気持ちが変わるというのが普通じゃね?
なんていうか、全体的に軽いんですよね。キャラの心情や行動原理が全体的に。ほどよくほどほどにハートフルな作りなんだけど、視聴者の心にグサッと刺さるほどのインパクトを残せるような感じではないですね。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
話の大筋は悪くないと思います。そうであればあるほど、極道設定が不自然で不自然で…
アオイとかいう、かつて組に所属していた若頭と病院で偶然会いますよという話ですが、組を抜けた理由が嫁と子供と一緒にいたいから? 極道を何だと思っているんだてめえゴラ! けじめをつけるために、指を何本か詰めたるぞゴルァ。
ですよ、一般的には。
指を詰めただけで済めばいいですけどね。コンクリーに詰められて東京湾ですよ。
親分の大事な骨董品を割った若い衆を、猫の顔に免じて許すという。
近隣の別の組の連中と喧嘩して帰ってきた主人公に、かつての若頭が「あの組は揉めると面倒だから」と叱るという。
なんですか?
なかよしサークルか何かですか?
極道をファンタジーに描くのはどうかと思いますよ。あいかわらず、神谷浩史ボイスの敵?(でもないんだろうけど)を思わせぶりに出すとか、ちょっとねぇ…
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
{netabare}
この話を作ったのは誰だあっ!!
僕の中の海原雄山が怒鳴りましたよ。
酷い。酷すぎる。
あくまで想像ですが、OPを担当するYouTuberと何らかの約束があり、声優をやったという箔をつけるために登場させると。で、どうせならアニオリでYouTuberにフィーチャーした回にしちゃおうと。で、そんな脚本をシリーズ構成・脚本家に頼めないから監督自ら脚本もやりましょうと。
あのさぁ。
こういうのをアニオタが一番嫌うケースというのが、まだ分からないんですか?
クッソ面白くもねえYouTuberの動画をトレースして、それが人気出ちゃいました。そしてついにアーティストデビュー、海外進出。でも、ぜーんぶ夢オチでした。
誰がこんな話を面白いと思うのか。
しかも腹立たしいのは、冒頭にテロップで「たいへんご好評をいただいております『組長娘と世話係』ですが、諸般の事情により通常の内容からしょーもない内容に変更させていただきます。御了承くださいませ。」とか流しました。
「いやあ、俺たちはこんなの作りたくないんだけどさー、大人の事情でしょうがないんですよ」みたいな言い訳をするとか、めちゃくちゃダサくないですか?
なら、面白く作れよ。
無理なら、言い訳すんなよ。
この回でわかったことは、制作陣は視聴者よりもタイアップのYouTuberと、そのファンに向いて制作しているんだなということです。ということは、深夜アニメの視聴者層は、この作品のターゲット外ということです。
よしよし、わかりました。なら、それ相応の評価をします。
{/netabare}
=====第5話視聴後、追記です。
{netabare}
前回の悪印象を払拭できないまま、5話を視聴しました。
なんというか、ちょっともう上がり目はないかなーという感じがしています。
サブキャラを次々と出してきますが、まったく魅力を感じません。元同級生のオネエ、同門の組のイキってるヤナギと手下、神谷浩史ボイスの敵対する組のインテリヤクザ風の若頭…。
結局、主人公を「めっちゃ強くて乱暴者だけど、八重花の面倒を見ることで優しい男になりつつあるよ」というのを演出するための舞台装置でしかないです。そりゃ、そんなの魅力的なわけないですよね。行きつけのレストランの店主に「こんなまずいもの食わせて、金なんか払えるか」という、横暴極まりないキャラにしてますから。
で、そういうサブキャラを紹介・見せ場を作るために、肝心の八重花が存在感がないという。なんだか、女子会だかなんだか言い出して、チョコケーキを作りますよ。
で、ちょっと問題かなと思ったのは、八重花が主人公に対して「女の表情」をする描写なんですよね。いや、7歳ですよね。それはさすがに…
あとはまー、手下の金髪がギャーギャー騒がしいとか、いろいろあるわけなんですけど、そこまで指摘する気にもならんです。あ、そうそう。主人公の同級生のオネエも金髪で、まったく見分けがつかねえというね。制作スタッフもそう思ったのか、ご丁寧に名前のフリップなんか入れてます。
feel.は好きな制作会社ですが、「ぼくリメ」だの「YU-NO」だの、たまに大きな空振りをしますね。てか、ヤクザと少女モノって、すでに自社で傑作「ヒナまつり」担当してるんだから、何もこの作品を請け負わなくても…といった印象です。
{/netabare}
=====第6話視聴後、追記です。
{netabare}
八重花は友達がいない。それは、こういう家に生まれたから仕方ないという…
あれ?
おかしくないですか?
主人公が八重花のPTA会に参加した時、ママたちがメロメロになりながら、いつでも相談に乗るわよと言ってましたよね。
友達ができない→親が「あそこの家は極道だから近づいたらダメよ」ということでしょ。なのに、なんで主人公ウェルカムなの?
で、その友達がいない設定を何に使うかというと、外国人の幼女と友達になるという展開を作るため。
テコ入れで、新たに幼女を追加したかったんでしょうなあ。そして、ヤクザが手料理って…
さらに、はいはい、オネエの同級生を無理やり出し、無理やり昔やけにケンカをふっかけてきた奴を匂わせ、最後に無理やりブタ箱から出して主人公をぶっ56すって…
こんなの伏線でもなんでもねえよ。
不自然にも程があるでしょ。
シリーズ構成に難がありすぎる。脚本も酷いねえ。途中でYouTuberに忖度するようなアニメだから、適当な仕事でええわってところでしょうか。
{/netabare}
=====第7話視聴後、追記です。
{netabare}
今回はヤクザパート一辺倒という回。
ですが、いろいろと問題というか、薄っぺらい感じが強い印象でした。
ブタ箱から出てきた、やたらキレまくる男。そして、主人公の舎弟の金髪男。この2人の過去回想を長々とお届けされます。
もう主人公には暴れさせないつもりなのかな。キレまくる男もオヤジに「メシ食いに行くぞ」で連れてかれてチャンチャン。Bパートは、なんの契約だか、どこかの社長との打ち合わせには舎弟の金髪男を行かせますからね。
この顛末も、まあ薄いのなんの。
社長も舎弟とはいえ、ヤクザ相手に無駄にイキってボコボコにされます。で、後ろ盾になるという神谷浩史ボイスのインテリヤクザは、「おかげで舎弟の力を見ることができましたよ」と。
いや、そんなの、こんなことしなくてもわかるだろ。
なんか企んでいるように演出してますが、軽いというかザルというか…
そして舎弟になった経緯も酷いねえ…
万引きがどうとか、いろいろありましたが、要は「お茶の味を褒められたから」。
軽っ!
そう。この作品、全体的に軽いんですよね。その軽さが、雑というか浅いというか、そういう違和感につながっている感じ。
だったら、八重花ちゃん萌えー!ブヒブヒー!という層に振っとけばいいのに、今回みたいに「腐女子の皆さん、お待たせいたしました。お待たせしすぎたかもしれません」みたいな内容にするし。
4話を酷評しましたが、その回の脚本が監督自ら担当。そして、この回も監督が脚本を担当した回になります。いや、別に深い意味はありませんが…
とにもかくにも軽くて浅くて中途半端。そんな作品です。
{/netabare}
=====第8話視聴後、追記です。
{netabare}
何話か忘れたけど、病院で偶然会った、元若頭の葵とかいう男が組を訪ねてくる話です。
要はサブキャラの回想シーンを長々とやるってやつです。
まあ、その葵に女ができて妊娠し、でも暴力団なので抗争とかあるわけです。で、血まみれのスーツで病院に面会に来るという、普通なら通報される状態なんですが、その血を見て彼女は過呼吸になってしまいます。
で、そんなこんなで組を抜けるという話で、組長は「守りたいものがいくつかあるなら、その選択肢から組は外して構わん」みたいなことを言って認めるのね。
このセリフで、完全に白けてしまいました。
いや、これが住み込みの温泉旅館のスタッフの話なら、ぜんぜん納得もするんですよ。組長の奥さんが「素敵な家族になるわよ」って言ったりするのもね。
暴力で流血騒ぎを起こすような素敵な家族が、どこにあるってんだよ。
ね。結局、ハートフルストーリーを描こうとしても、暴力団という設定がぜーーーんぶ邪魔するわけ。そういうバイオレンスな漫画が描きたければ、子育てとかファミリー要素は切り捨てないとね。
どっちつかずな話になっていて、何をしたところで「いやいや、所詮ヤクザだろ?」でツッコミが終了なんです。
ホント、どこに向けた話なんだろ、これは。
離脱します。まあ、いないでしょうが、この作品がお好きな方にはごめんなさいね。
{/netabare}