ファルコーニ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
キャラが成長するのは嫌なのか問題
大人気作品「ゆるキャン△」の映画だが、なかなか賛否両論あるようだ。
今回の映画は原作と違い、なでしこやリンたちが大人になった数年後を舞台にしている。それぞれ仕事に就いていて、住んでいるところもバラバラ。これはなかなか思い切った試みだと思う。
ゆるキャン△はあくまでゆる〜く女子高生たちがキャンプをするところに魅力があり、キャラが歳を取らない「サザエさん方式」を好むファンが一定数いるのは確かだろう。映画でも社会人ならではの苦労とかも描かれていて、そういう現実的な苦労とかをこの作品に求めていない層も少なくないはず。そういうファンたちはゆるキャン△に「癒し」を求めているのだろう。
ただ、個人的には満点に近い映画化だったと思う。改めて気付かされるのは、これはキャンプがメインの作品なのではない。キャンプを通し、リンたちキャラクターが成長し、人間関係を育んでいくところに本当の魅力があるのだ。
単にキャンプするだけの作品なら他にもある。だが、この作品の空気感はこのキャラクターたちでなければ作り出せない。その人間関係に真の魅力がある。
年齢は重ねていても、リンちゃんたちには変わらない絆があった。成長したところと、変わらないところ。その両方が上手く描かれていて、何だかキャラクターたちの成長が嬉しく思えた。
単純なゆるい映画化ではなく、映画の中ではちょっとしたハプニングや困難も起こる。それが嫌だったとの意見もチラホラ見かけたが、その困難があったからこそリンちゃんたちの成長が見られたのだと思う。作品に苦労とは無縁の癒しを求めるのもいいが、そればかり求めていては骨のない作品だらけになってしまう。
賛否両論あるのは分かるが、個人的にはゆるキャン△の魅力を残しつつ新しい要素を取り入れ、上手く作品を前に進めていたと思う。これが集大成なのか、それともアニメ3期をやるのか。いずれにしても、この映画が素晴らしい作品だったことに変わりはない。リンちゃんたちの成長を微笑ましく見れるのなら、ファンは劇場に足を運ぶ価値があると思う。個人的にはもう1回は劇場へ行きたいと思う。
ゆるキャン△に出会えて良かった。