ひろたん さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
カップに狙いを定め続けろ!ゴルフコースのガンスリンガー・ガール
弾丸を装填し、撃鉄を上げ、狙いを定め、トリガーを引き、バレルから解き放て・・・
狙撃の話? いいえ、ゴルフの話!
主人公「イヴ」は、生活のために賭けゴルフで稼いでいます。
イヴは、言わば「裏」の世界において圧倒的な実力で金を巻き上げています。
賭けで重要なのは、相手のメンタルを確実に破壊すること。
その圧倒的な「ショット」で相手の心を打ち抜くこと。
そして、もう一人の主人公「葵(あおい)」は、ゴルフの天才。
お嬢様で、公式の試合にも出場する堅気、言わば「表」の世界で活躍しています。
そして、この二人が出会ってしまったのが、「運命」の始まり。
イヴは、葵と対戦するも敵わず、でも、ゴルフが本当に面白いと感じてしまいます。
そして、再び勝負したいと強く願います。
しかし、二人は、生きる世界が違う。
それは、まるでコインの「裏」・「表」のよう。
コインの裏表は、決して交わることはありません。
はたして、二人の関係はどうなるのでしょうか・・・。
■「どっちも表」
{netabare}
前半は、マフィアの抗争に賭けゴルフが絡み、それこそアウトローなものでした。
後半は、意外と真面目な学園青春ゴルフものでした。
しかし、イヴのスタンスは、どこにいても全く変わらず。
このギャップだけでも十分面白い作品です。
ゴルフでオナー(最初に打つ名誉)を決める際、この物語では、コイントスします。
「裏」か、「表」か・・・。
しかし、あるエピソードで、そのコインに細工がしてありどちらも表でした。
イヴは、「どっちも表」と言って、それを見事に見破ります。
なんだかこれが、この後の二人の関係を暗示しているかのようでした。
結局、イヴは、葵と勝負がしたくて、「裏」の世界から「表」の世界にいきます。
そして、二人揃って「どっちも表」の世界となります。
伏線とは言わないまでも、こう言う暗示のような細かい芸(演出)は、好きです。
{/netabare}
■イヴの台詞にシビれました
{netabare}
イヴが入学した学園のゴルフ部の部長と勝負をしたときのことです。
部長が直接カップは狙わず堅実にグリーンに乗せてきたときにイヴに言いました。
「これでバーディーの確率は飛躍的に上がる。」
それに対して、イヴはこう言います。
「そう言うゴルフは嫌いだ。
私からしたらあんたは逃したんだ。
イーグルチャンスを。
(私は)カップに狙いを定め続ける。」
とてもシビれませんか?
すごくカッコイイ。
そんなふうに言える生き方をしてみたい、そう思わされます。
{/netabare}
■「雑草がどんなに伸びても太陽には届かない」
{netabare}
これは、11話のサブタイトルであり、部長の本音です。
口惜しさと諦めが同居していて、とてもイイですね。
雑草、言わば凡人は、どれだけ努力を重ねても秀才止まりが関の山。
生まれながらにして光を持っている人に踏みつけられる存在。
持てる者に対する羨望と嫉妬。
スポーツや芸術を扱った作品では、切っても切り離せない凡人の嘆き。
とても痛いのですが、こう言う存在を描くことにより光がますます光り輝きます。
物語にとても深みを与えてくれます。
{/netabare}
■まとめ
ボールがスカーンと飛び、気持ちがスカッーとする作品でした。
主人公「イヴ」は、記憶喪失で、その出自に最大の謎をかかえます。
そして、もう一人の主人公「葵」との出会いは、偶然ではなく、「運命」です。
二人の間には、何かある!
そんな伏線をチラ見せしてシーズン1は、幕を閉じました。
しかも、まさかのダブルス選手権の途中でのブツ切り・・・。
まさに文字通り"分割"2クール、途中で終わりすぎでしょ。
シーズン2がとても楽しみで仕方ありません。