ウェスタンガール さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
“であいもん”という術式展開
OP曲「菫」を歌われ、作詞もされた坂本真綾 さんと、近年クラシックへも表現の幅を広げている、ご当地バンド“くるり”の岸田繁氏。
そんなお二人の対談記事(音楽ナタリー)が面白かった。
(以下抜粋)
坂本 「…そのときどきの心境や環境で、聞こえ方が変化する…、特に優しくしてくれるわけじゃないんだけど、すごく優しく感じたり、すごくさびしく感じたり、声色まで違って聞こえるのが不思議だなって…」
岸田 「岸田繁の術式展開というか…、小技というと小賢しいですけど…、“なんかこの感じ知ってる”みたいなものの流れを、曲全体の中に1個2個の時差を作って入れて、ちょっと時空を歪める言うか、ちょっと重量がない状態にすると、俯瞰と目の前の主観の行き来みたいなことができるんやないかなあって…」
まさに「であいもん」の世界そのものだなとと感じた。
「であいもの」とは、日本料理の世界で大切にされて来た言葉で、いわゆる旬の食材、海や山の幸、その組み合わせのことだそうだ。
しかしそれは、料理に限ったことではない。
時空を超えて共鳴する景色や音、そして香りは、その時の感情とないまぜになって記憶に刻まれ、時を経て環境が変わり、新たな関係の中で、それらに対する感じ方が変わってゆく訳であるから。