nyaro さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
イジメが強烈すぎて他の話がかすみます。今後あかりさんが心配かなあ。
イジメがリアルすぎて胸が痛くて見るのが辛かったです。ですが、目が離せませんでした。
本作では悪くないほうに行きましたが、 {netabare}現実には無条件で肯定してくれる年寄りや、キャッチボールをしてくれる男の子、そして修学旅行で仲間外れにされてさっそうと京都まで現れる仮の家族はいません。そして、イジメ黙認の先生が退場して物分かりのいい先生になったりしません。{/netabare}
ここはどうなんでしょうね。原作者もいじめられていた?だから願望が現れたのでしょうか。または、あまりに冷たい世界を描きたくなかったのでしょうか。
あの印象的な涙のシーンは本当に正視していられないくらいでした。ですが、イジメの部分の解決や周囲の人間関係ははっきり言えばリアルではないし、ヒナタちゃんは可哀想でしたが恵まれています。
その一方でイジメる側のリアルがすごかったです。悪意がある側がすべて有利に働く構造やイジメの連鎖がイジメの悲惨さをよく表していました。
本作は解決こそリアルではないですが、ヒナタちゃんの周囲の人間を見て感動するのが大事なんだと思います。あそこまでなれなくても、イジメについてはそれが救いになることがわかります。またイジメる側の悪意の醜さを感じられると思います。
これを日本全部の学校の授業で見ればいいのに、と思いますが、まあ、イジメをやるような人には響かないんでしょうね。
一方、逆にあかりさんの弱さが気になります。前作でちょっと危惧した聖母的なイメージがいっきに等身大の人間になりました。支えてくれる人がいない脆い感じがかなり出てました。これから先どうなるんでしょう。心配です。
桐山くんは周囲の人に支えられてなんとかなりそうですね。学校で孤立は相変わらずですが、川本家とのつながりがより一層強くなったし、義姉とも上手くいきそうだし、将棋関係でコミュニケーションも広がっているみたいです。
で、なんといっても二海堂くんんが心配ですね。やっぱり「村山聖」なのかなあ。
本作は2クール目で、桐山くんの義理の家族の悲惨さから、かなり暖かい世界に行けたのとは対照に、桐山くんをとりまく周囲の人が順風満帆でなく、苦しんだり悩んだりして、それでもがんばっていることを見せてくれました。
ちょっとヒナタちゃんの件が衝撃すぎて、頭混乱しているのでそればっかりの感想になってしまいましたが、とにかく「いい話」というより「すごい話」でした。
評価はある意味100点以上なんですが、イジメの部分が強烈すぎて桐山くんを取り巻く話がちょっとかすんでしまったので、満点にはしませんでした。